今年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』も第9回まで終わり、織田信長が美濃攻略を終え「岐阜」に地名を改めたところまで進みました。「尾張編」が終わったというところでしょう。2ヵ月でここまで進んだのはまあ早くもなく遅くもなく順調なペース。主人公が秀長だけに、史実ではここまであまり何をしていたかわからないので、どちらかというと「太閤記」を秀長目線で描いている感じでした。草履を温める話にせよ、墨俣一夜城にせよ、竹中半兵衛を口説く話にせよ、史実かどうか怪しい逸話をベースにしながらも、それぞれ新しい視点を盛り込んでいるところが歴史好きには面白く、このあたりは脚本家の八津弘幸の腕が光ります。
評価が分かれそうなのがドラマオリジナルキャラクターの直。秀長の恋人という設定でここまでずっと2人の恋愛模様を主軸にして描かれてきました。永野芽郁の代役の白石聖の熱演もあり好評だったようですが、昔からの大河好きとしては恋愛にちょっと尺を割きすぎではないかという気がしました。その分、信長のここまでの進撃が箇条書きのように描かれていて浅い感じで進んでいますし、信長家臣団の出番も少なくなっています。特に前田利家は今後の展開を考えるともっと登場させておいた方が良いのではないかと思いました。まあ今日で直も退場したので、これからはもう少し史実に沿ったストーリーが描かれることを期待したいです。
半兵衛のキャラクター造形はなかなか面白いです。戦国武将でありながらここまでひ弱なイメージで描くのは、なかなか振り切っていて良いです。菅田将暉も好演しています。半兵衛と並ぶ軍師となる黒田官兵衛がこれから登場しますが、どう2人を対比させるのか楽しみです。来週は信長が上洛し、足利義昭の使いとして明智光秀が登場するようですし、浅井長政と市の婚姻も描かれるみたいですから、これまで尾張が舞台だったのが、一気に話が広がります。よりダイナミックな展開になっていきそうなので、ますます面白くなることを期待しています。
