エコーチェンバー

 よく言われることですが、SNSというのはエコーチェンバーによって偏った自分好みの意見ばかりを見聞きしてしまうので、知らず知らずのうちに偏向していきがちです。バズっている動画を見にいったがために、似たような動画ばかりが出てきて、いつの間にか偏った意見に染まってしまった中高年ネトウヨ男性のなんと多いことでしょう。ネットに大きく出遅れて参入してきたこうした人たちは、抵抗力がないために簡単に騙されてしまいます。しかも大量に資金を投入してネット世論を一定の方向に誘導しようとしている勢力があると、さらにそれは顕著になり、かつてナチスが行ったような情報操作戦略がネットを通じて手軽にできる世の中になってしまいました。

 アメリカ大統領選でトランプが当選したり、兵庫県知事選で斎藤元彦が立花との2馬力選挙で復活当選をしたり、参政党が矛盾と誤謬に満ちた発言を繰り返ししているのにその矛盾すら気づかないでいる支持者が激増したり、というあたりでも十分に困ったことでしたが、今の高市政権支持率75%などという頭が痛くなる数字を見せられると、もはや困ったとかいうレベルではありません。あれだけ国民のためにならない言動を繰り返している首相は過去に見たことがないのに、支持者向けに威勢の良いことをはっきり言い切るという、内容を問わずその姿勢だけで評価されているようです。

 このエコーチェンバーに国内で大きく影響を及ぼしてきた会社が「中国叩き」を煽るような動画制作を行っていたことがバレてから、少しネトウヨ的発信が少なくなってきたように思います。もちろん相変わらず「嫌中」「似非愛国」な発信は多いのですが、いかにもバイトでやっているんだろうな的なものが減ってきていて、その分だけ感情的ではない論理的な発信を見かける機会が増えました。健全な議論をSNSで見ることなど、もう叶わない夢かと思っていたので、少しでも流れが変わるなら期待したいです。

 マスコミにおいても一時期な異様な「高市上げ」が少なくなり、個々の政策については批判的な論調も増えてきました。特に今は鈴木農相の「お米券」問題や、維新がゴリ推ししている「定数削減法案」についての批判が目立ちます。直接的に高市批判をするのはまだ及び腰のようですが、マスコミでも少し流れが変わってきたのかなとは思います。官僚は恐らくもう「高市離れ」を起こしていることは「存立危機事態」の発言が官僚が用意した答弁書になく、高市の個人的発言だったことが明かされた件からも窺えます。感情的な罵詈雑言や煽りではなく、真に知性的で論理的かつ倫理的な意見がやり取りされるSNSを見たいです。ちなみに僕自身のSNSもエコーチェンバーの影響を受けていることは確かなので、なるべくネトウヨ的な意見もチェックするようにしていますが、さすがにあまり酷いのは見ていて苦痛ですね。

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