衆院選の結果は衝撃的なものでした。新聞各紙が予想していた最大値を超える勢いで自民党が大勝しました。単独政党が衆院で3分の2を超えたのは戦後初です。3分の2は重いです。参院で法案を否決されても衆院で3分の2以上の賛成により再可決し、成立させることが可能になるからです。参院は無きに等しくなり、衆院だけであらゆる法案を可決していくことができます。まさに高市政権は独裁が可能なフリーハンドを手に入れました。憲法が許せば徴兵制だって可能なので、まずは憲法を変えることを早急にやろうとしています。いきなり徴兵制まではしないでしょうが、軍隊を持ち戦争ができる国に変えることでしょう。戦後80年、ついに日本の戦後体制は終わり、新しい戦前が始まることになります。
自民党がここまで大勝した理由はいろいろ論じられていますが、その中で大きかったのが野党、特に中道の戦略ミスです。特に立憲民主党はこれまで党を支えてきた枝野を筆頭に小沢、岡田、安住らベテラン大物議員が軒並み落選し、比例復活もできず「ただの人」になってしまいました。中道惨敗と言っても、公明系はむしろ改選前より議員を増やしていて、大負けして消えそうになっているのは立憲だけです。野田は首相の時にも民主党を惨敗させて第二次安倍政権を誕生させ、また今回も目も当てられないほどの惨敗で高市一強政権を作りました。以前から政局に疎いというか、政局音痴な感じがしていましたが、ここまで選挙が下手では党を引っ張ることはできません。日本のリベラルを潰した張本人です。しかも自分だけ当選して生き残っているし。
ただ比例の票数を見ると自民が約2100万に対して中道はその半分の約1050万獲得しています。そして共産とれいわと社民のリベラル3党を合わせると480万以上。小選挙区制でなければ、ここまで議席数に大差がつくはずはないのです。リベラルが全く支持されていないわけではなく、選挙がとにかく下手な野田のせいで潰されたと言って良いでしょう。野田が共産党を切り捨て、立憲のブランドと基本政策を捨て去って公明党と合体などせず、緩やかな野党連合のまま選挙体制を組むことができていれば、もっと結果は僅差になっていたはずなのに、それができないところに日本の野党の弱さが凝縮されています。
「戦争反対」「人権を守れ」「差別を許すな」と言うと、「左翼」とか「リベラル」が悪口として使われるおかしな国になってしまいましたが、別に基本的な政治用語もわかっていないネトウヨになんと言われようとも構いませんが、そういう連中を利用している一部の極右政治家には腹立たしい思いしかありません。そして実は全体の3割の得票しか得ていないのにフリーハンドになってしまった与党を苦々しく思っている日本人が7割もいるのです。何でも法案を通すことができる与党が、国民が一番切実に悩んでいる物価高に対して結果を残さなければ、きっと痛烈なしっぺ返しがきます。そして高市政権のバラマキと「積極財政」の公約のままでは円安が進み物価高が抑えらえることはまず難しいでしょう。まあ「逃げ」の高市はそうなっても、いつものように人のせいにして責任逃れをするかも知れません。安倍と違って党内基盤がない「ぼっちの総裁」では逃げようにも限界があるだろうと思いますが、それよりその時に日本が大丈夫かどうかの方が心配です。
