大の里のパワー

 大相撲秋場所は中日を終えて豊昇龍が全勝、大の里ほかの力士が1敗で追う形になっています。大関琴桜と大関昇進を狙う若隆景が3敗しているのは残念ですが、両横綱が安定しているので協会も胸をなでおろしていることでしょう。特に心配だった豊昇龍が全勝で勝ち越しを決めたのは「快挙」です。横綱ではありますが、とにかく下位に取りこぼしが目立つだけに、前半をうまく乗り切れば強い相手には強い豊昇龍の良さが後半出てくるのではないかと思います。

 対する大の里ですが、1敗はしたものの強さという意味では結構危ない相撲も多い豊昇龍よりも優っています。今場所とりわけ目立つのは圧倒的なパワー。相手力士を子どものように吹き飛ばしてしまう異様なまでのパワーは桁外れです。今日の平戸海との一番でも、平戸海が良い形で大の里に食いついたのに、それをものともせずにただ前に出ていくだけで押し出してしまいました。平戸海がガッチリつかんでいた左の前まわしを、ただ右手で押すだけで切ってしまうなど、同じ幕内力士の対戦とは思えません。規格外の強さだとは前から言われていますが、今場所は特にパワーアップしている印象です。

 大の里を見ていると、かつての小錦や曙が登場した時を彷彿とさせます。日本人ではあり得ない「圧倒的な力」を持つ相手に、千代の富士や貴乃花が挑んでいきました。まさか日本人でこれだけの体力的ポテンシャルを持つ力士が登場するとは、メジャーリーガーの中でパワー負けしていない大谷翔平並みの驚きです。そしてウクライナ出身の安青錦が小柄なのに低い姿勢を生かして下から下から攻めているのを見ていると、まさにこれまでと入れ替わっているような感じです。大の里は最強でありながらも今のところまだパワーだけで相撲を取っているので、これから四つ相撲を覚えていけばまさに無敵の存在になります。白鵬超えの期待をしたいです。

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