様変わりした流行語大賞

 今年の「新語・流行語大賞」のノミネートが発表されました。もうそんな季節かと、すっかり晩秋の恒例行事となってきています。毎年のことながら「知らない」流行語もいくつもノミネートされていますが、驚いたのはスポーツ関連のワードがひとつもないことです。これまで「野球好きのオッサン」のチョイスと揶揄されてきたくらい、毎年野球を中心にスポーツ関連の用語がたくさん入ってきていたのに何という変わりようでしょう。大谷の活躍や阪神の独走優勝もなかったことになっています。大好きな野球を今年オッサンは見ていなかったのでしょうか。

 もうひとつ、政治関連のワードがマイルドです。例年政権を批判する『忖度』とか『裏金問題』のようなパワーワードが入ってきていたのに、『働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相』にしても批判的な意味合いはないですし、『卒業証書 19.2秒』も地方自治体の話、『トランプ関税』『物価高』も政治の話なのか経済の話なのか曖昧です。『石破やめるな』のようなバズった言葉があったのに、敢えて生々しい言葉を避けたように思われます。ナイターで野球を見ながらビールを飲み、自民党の批判をエラそうに言うオッサンはすっかりどこかに消えてしまい、残ったのは角が立たないマイルドな言葉を選んで話す上品な奥さまのようです。

 正直言って「つまらない」です。賛否はあっても、これまではとにかく社会風刺や世相を斬る意気込みだけはハッキリと感じられました。時代を表す尖った言葉をチョイスすることによってジャーナリズムの端くれという矜持がありました。しかしもうそういう時代じゃないという宣言をしたような様変わりぶりです。これでは話題性に乏しいですし、わざわざ発表するほどのこともないのではと、その存在価値すら疑ってしまいます。

 なぜこんなことになったのかと思っていたら、どうやらスポンサーが変わったかららしいです。この20年ほどスポンサーをしていたユーキャンに代わって、今年からT&D保険グループが特別協賛社になったそうです。保険会社だけに「保険をかけた」チョイスがお好みなのかも知れませんが、話題にならなければスポンサードする意味も薄れてしまいます。CMと同じで目立ってナンボではないかと思うのですが、それもスポンサーの考え方次第なので仕方ありません。今年も現代用語の基礎知識が選者となっていますが、内部ではいろいろあったんだろうなと想像するのみです。

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