自民の足を引っ張る維新

 高市政権が「好スタート」を切っていると世間は評価しているそうです。僕にはトランプをノーベル平和賞に推薦した件をはじめ、いろいろと突っ込みどころはあると思えますが、もしかしたら僕よりももっとみんな心配していたから最初のハードルが低くて好スタートに見えているのかも知れません。ひとつ注意すべきなのは、外交にしろ内政にしろ、現時点で進んでいることの多くは石破政権ですでに進められていたことです。それを何でも高市がやったと誉めるのは間違っています。政治というのは基本的に継続的にずっと進められていくものですから、急にあれこれ変わるものではありません。

 ただ政治は継続的なものですが、政局は急転換します。わかりやすい例が公明党の連立離脱で、国会でも斉藤代表が野党色を鮮明にしたように、政党や政治家が主張や立場をコロッと変えることはあります。支持している有権者にしたら「おいおい」となりますから、あまり誉められたことではないと思いますが、状況が変われば仕方ないケースもあるでしょう。公明党の代わりに与党入りした維新にしても同じです。あれだけ自民党を批判し「政治とカネ」の問題を一丁目一番地だと言っていたのに、180度転換したのかと思うくらいに言うことが変わっています。「政治とカネ」は置いてけぼりで、なぜいきなり議員定数の削減が筆頭になるのか訳がわかりません。公明党と違って本当に誉められたことではないでしょう。

 僕は高市政権の足を掬うのは維新ではないかと思っていました。そもそもがきちんとした支持組織も持たない素人くさい政党の上に、これまでも幾多の不祥事を連発してきました。「不倫」の国民民主党もどうかと思いますが「不祥事」の維新の方がより悪いのは間違いありません。大阪で人気があるのを良いことにいつも好き勝手言っていますが、所詮は地方政党ですから、大阪以外では維新の言い分は通りません。それが露呈したのが今回の藤田共同代表の一件です。

 赤旗がスクープした自身の税金還流疑惑について、記者会見で謝罪するどころか逆切れして暴言まがいの発言を連発し、「赤旗は共産党のプロパガンダ紙」「共産党およびしんぶん赤旗の質問状には一切返答しない」などと宣言。さらに悪辣なことに自身のXで、赤旗記者の名刺の画像を、氏名や所属、住所などを見える形で公開するに及んだこと。これはいわゆるN党の立花がやる「犬笛」という手法で、支持者たちに嫌がらせをしろと暗黙のうちに言っているわけで、実際赤旗に嫌がらせ電話が殺到したそうです。立花がやっても大問題なのに、藤田は公党の代表であり、しかも与党側の権力者がメディアに対して恫喝ともとれる行為をするなど言語道断でしょう。これだけで辞任に値すると思います。

 そもそもこれまで維新が自民党を攻撃してきた「政治とカネ」の問題だって、発端は赤旗のスクープでした。裏金問題を赤旗が取り上げなければ、いま藤田が与党の代表面していることもなかったわけですから、赤旗に感謝こそすれ文句を言う立場にないはずです。それが自分が指摘をされたら途端に逆切れするとは何と器の小さいことか。まあ器が小さいのは高市も「放送停波発言」「議員辞める発言」などで逆切れしてきたことからわかるように大差ないですが、似た者同士だけにウマが合ったのかも知れませんが、高市にしてみればつまらないことで足を引っ張るなと感じていることでしょう。

 ところで今回の件では橋下徹が厳しく藤田や吉村を批判しています。維新の創業者の橋下も随分と今の維新とは距離を取っているものだなと感じますが、身内のことだけにさすがに橋下の批判は的を射ています。自分のことは置いておいて他人のことならこれだけ正論を言えるんだなと感心する反面、少しは橋下も製造者責任を感じたらどうかとも思います。いくら高市が安全運転で「好スタート」なるものを切ったとしても、維新という大荷物を抱え込んだようなものです。まあ「連立」ではなく「閣外協力」だった分だけ、自民党としては言い訳がしやすくて助かっているのかも知れませんが、同じ与党の不祥事は頭が痛いことでしょう。

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