裏金議員復権選挙

 自民党は石破政権下での前回の衆院選で裏金議員を非公認にしたり、比例重複での復活を認めませんでした。その結果、旧安倍派の議員を中心に落選が相次ぎ少数与党に転落しました。国民の「裏金」に対する批判を正面から受け止める結果になったわけで、これこそ選挙で民意を示した事例だと多くの有権者も思ったことでしょう。自民党は「解党的出直し」を口々に言いながら、選挙の結果を石破の不人気だと判断したのか「石破おろし」を強行し、総裁選を行いました。それでも林や茂木が総裁になっていたらまだしも、高市が小泉を逆転して勝ったことで一気に自民党の態度は急回転しました。

 高市は裏金議員を党幹部や内閣の重要ポストに起用しました。その典型的な例が裏金議員の右代表のような萩生田の党幹事長代行です。裏金だけではなく萩生田は統一教会との関係も深く、自民党と統一教会のパイプ役のような存在であることが明らかになってきています。そんな人物が幹事長代行として権勢をふるえば、裏金問題が解決するわけもありません。前回の選挙から1年4ヵ月が過ぎましたが、単純に自民党は問題が風化することを待っていただけでした。

 そして今回の衆院選では裏金議員を軒並み公認し、比例重複での復活も認めました。完全に裏金議員を復権させるつもりです。前回の民意への挑戦的な態度だと言って良いでしょう。逆に石破内閣の時の閣僚だった伊東前沖縄北方担当相を北海道ブロックの6位、阿部前文部科学相を中国ブロックの20位、村上前総務相を四国ブロックの10位にしました。前回は3人とも1位だったのですから、小選挙区に出ない彼らを落選させるつもりです。高市に対して批判的な議員を狙い撃ちした明らかな「報復人事」だと言って良いでしょう。

 裏金と統一教会という安倍晋三の負の遺産を何とか解決しようと足掻いていた石破一派を切って捨て、再び闇の世界に潜ろうとしている自民党。それをきちんと報道しないマスメディア。そして「そんなこと」ととして忘れようとする一部の国民。裏金も統一教会も、思想とか右だ左だとかは関係ありません。大きな不祥事であり、政治家としての倫理の問題です。それなのに何ら反省も解決もせずにまるで無かったことにしようという態度を許してしまえば、ますます自民党も日本の政治も根っこから腐っていくばかりです。かつての自民党にはまだ自浄する機能がありました。しかしもう自民党を本気で立て直そうと考えている政治家は党内にいないのかも知れません。

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