政治家は言葉が武器です。自分の思想、信条を言葉で語り、それで人々を納得させることができるかどうかが職業上必須です。国会で討論することはもちろん、さまざまな場面で自分と異なる立場や意見を持つ人と語り合うのが仕事だと言って良いでしょう。一方的に演説するだけでは足りません。信者のような支持者に向けて語るだけの政治家は、政治家ではなく新興宗教の教祖か詐欺師です。
衆院選で与野党11党首が出演予定だった今朝のNHK「日曜討論」。投票日まであまりにも日数がない日程の中で、各党党首との討論は、最後の「直接対決」の場として注目されていましたが、なんとそこに高市自民党総裁の姿はありませんでした。放送の30分前にキャンセルの連絡があったということで、代わりに田村憲久元厚労相が出席して「腕を痛めた」から治療のために欠席したと言い訳したそうです。腕の怪我です。しかも骨折のような重傷でもありません。午後から地方遊説には行っているのですから。それで討論ができない?この日曜討論がどれほど政治家として国民に訴える大事な勝負の場かわかっていないのでしょうか?
恐らく大事な場であることはわかっていると思います。だから腕の治療を理由に「逃げた」のです。それ以外にドタキャンする理由が見つかりません。ではなぜ逃げるのか?それは高市が喋れば喋るほどボロを出すからです。国会での論議でもそうですし、選挙期間中の演説でもそうですが、とにかくすぐに調子に乗って言わなくても良いことを言ってしまい、後で各方面から批判を浴びています。しかも本人は決して訂正も謝罪もしないでダンマリを決め込むので、周りが火消しに追われます。周囲の人たちはきっと「もう喋らないでくれ」と思っているのでしょう。演説でもボロを出すのですから、テレビの生放送で討論なんかしたら何を言い出すかわかったものではありません。
しかも直近では週刊文春による高市陣営の旧統一教会の関連団体の地方組織によるパーティー券購入疑惑報道がありました。これまで統一教会とは一切関係がないと高市は繰り返し発言してきていますが、韓国から深い関係があることが文書で暴露され、さらにパーティー券問題。これをまたれいわの大石晃子あたりに厳しく追及されたら、とんでもないことになりそうだと側近が危惧するのも当然です。ここは何を言われても「逃げ」の一手でいくしかない、もし逃げたと非難されても、余計なことを言って傷を深くするよりは悪影響は少ないという判断でしょう。それほど高市は政治家としての能力が低いと周りも見切っているのです。
そもそも今回の解散総選挙自体が「逃げ」の産物です。国会でいろいろ追及されては政権が持たないから、それを回避するための「自己都合解散」だと当初から言われています。なにせ総理大臣であるのに、自分で「高市を総理にしてください」と訴えているのは訳がわかりません。総理でいたいのならなぜ自ら解散したのか、その言葉の矛盾にも気づいていないのでしょうか。「逃げて、逃げて、逃げまくって」その先にどんな政治があるのか、言葉という武器を持たずに「虚勢」や「はったり」だけで政権を担われても不安でしかありません。
