セ・リーグのCSのファイナルステージ。阪神とDeNAの初戦は、ずっとDeNAが押していましたが、どうしても1点が取れません。要所を阪神先発の村上が抑えます。対して阪神打線は村上と最多勝を分け合った東に沈黙して5回まで2安打と全くチャンスが作れませんでした。しかし何回もチャンスを潰しているDeNAはこのままでは流れを阪神に渡してしまいそうだと思っていたら、案の定6回に近本が内野安打で出塁。中野の犠打で進塁。そして森下の打席で近本がなんと三盗を成功させます。見事なスチールでした。前進守備を取っているDeNA内野陣の横を抜く森下のセンター前へのタイムリーで阪神が先制しました。近本の抜け目ない走塁で取った先制点です。
さらに阪神が見事だったのは、続くサトテルがバットを折りながらセンター前にポテンヒットを打った時に、森下が一気に三塁を陥れたことでした。センターがダイビングキャッチを試みれば取れたかも知れないようなフライでしたが、そういう冒険的な守備はしないと見抜いて走った森下のファインプレーでした。さらに続く大山のサードゴロで三本間に挟まれた森下が粘っている間にサトテルが三塁まで進塁しました。これも森下とサトテルのファインプレーです。三塁にランナーを進めたことで、小野寺の浅いライト前ヒットで悠々と追加点が取れました。
阪神が2点を取りましたが、ヒットらしいヒットは森下と小野寺の2本だけで、それも良い当たりというよりは飛んだところが良かったというヒット。東のピッチング自体はまだ衰えは見えなかったのに、いくつもの好走塁で2点をもぎ取りました。これが強いチームの野球です。かつて西武黄金時代の1987年の日本シリーズで巨人クロマティの緩慢な守備の隙をついて、センター前ヒットで辻が一塁から一気に本塁まで戻ってきた走塁がその象徴ですが、強い時代の広島や、落合監督時代の中日などもいつもそういう相手の隙を突いて点を取る野球をしてきました。それが今は「阪神らしい」野球と言われています。
変われば変わったものです。阪神らしい野球というのは、大らかででっかい花火を打ち上げるような野球のイメージでした。田淵も掛布もバースもそういう野球の象徴だったのに、いつの間にか西武や広島のような「スモールベースボール」を得意とするようになっていたとは。阪神が独走するのも無理はないと改めて実感しました。
