衆院選の結果、かつての小泉政権や安倍政権よりも強大な権力を手中にした、かに見える、高市政権ですが、そのよって立つところが不安定極まりない「人気」というやつだけに、これから成果を見える形で出していかないと、いつまでも女王様気分ではいられないだろうと思います。なにせ統一教会問題や裏金問題について何も解決していないのに選挙の結果だけで強引に「うやむや」にしてしまったわけです。自民党自体の支持率は低いままなので、それなりに国民が納得いかない成果がないと、一部の狂信的な高市支持者以外はオセロが裏返るように手の平を返すリスクが大きく、恐らくそれは高市自身も自覚していることでしょう。
ただその割に真っ先に取り組もうとしているのが「憲法」であり「スパイ防止法」というのは、多くの国民の求めるところとはズレがあるように思います。もちろん熱狂的な高市支持者は何をやろうが支持してくれるので、憲法を好き勝手に変えようが拍手を送ってくれるでしょうが、大半の「雰囲気」で高市推しをした支持者は「いつ物価は下がるのか」「消費税はゼロになるのか」と期待しています。それなのに消費減税は「夏ごろに中間報告」などとノンビリしたことを言っていて、まあ予想通りやる気はないんだなとしか思えません。ただいつものごとく「できない理由」を見つけてきて自分は被害者ポジションを取ることは怠らないことでしょう。
消費減税よりも難しいのが物価対策です。このまま高市流「積極財政」が進めば円安で株は上がりますが、物価も間違いなく上がっていきます。下がる要因がありません。株をしこたま持っている富裕層はますます豊かになりますが、株を持っていない庶民は米も肉も買えない貧乏一直線です。そもそも消費税を下げるのも物価を押し上げる可能性があります。ガソリン税を下げたのは高市ではなく石破政権なのに、それをちゃっかり自分の手柄にしてアピールできましたが、もう次はありません。無理矢理何かを減税すれば、たださえ借金まみれの国家財政が破綻しかねませんが、高市信者はそんなことも知ったことではないでしょう。
そもそも積極財政とは金を潤沢にばらまくことで、当然出回る金が増えれば物の価値が高くなるから物価が上がる、円が安くなるから輸入品の値段は上がり物価は上がる、株価が高くなれば債権は安くなり金利が上がる、という仕組みを理解して高市に投票した有権者はどれくらいいたのでしょう。雰囲気だけで「日本が良くなるかも」で投票した結果が自分たちの生活を苦しくするとは全然思っていなかっただろうし、さらにトランプにすでに脅されていますが、国防力を上げるという名目でアメリカの武器を大量に買うために税金が使われれば、それだけ国民生活を豊かにする分が減らされます。それもまた生活を苦しくするのですが、それすらも理解されていたかどうか怪しいものです。
さらに高市が中国に対して強硬な姿勢を示せば示すほど、中国は苛立って(それが高市を支持している人たちは気持ちが良いらしいですが)一層日本との関係が悪くなります。その結果日本の経済がますます立ち行かなくなり国民は貧乏になるのですが、自分たちが貧しくても中国にさえ偉そうにしていられれば良いという人は本当に一部だと思います。中国とも適当な距離で付き合いながら、経済的な利益を得て国を豊かにすることが政治家のやるべきことではないかと思いますが、どうも高市は中国と親しくすることは悪だと思っているようで、それが信者たちにも共有されているみたいです。
物価対策という壁、トランプという壁、中国という壁。まさに内憂外患ですが、それを放置しておいて憲法を変えるなんて何の処方箋にもなりません。まあこんなことを書くと「意地悪やわぁ」と言われてしまいますが、もちろん意地悪ではなく真面目に日本の行く末を心配しています。
