谷繁の価値は安打数ではない

 ラミレス、中村紀に続いて谷繁も2000本安打を達成しました。以前にも書きましたが、2000本安打だけを数ある記録の中で特別扱いすることの意味がわかりませんが、とりあえず谷繁が最長試合、最高齢で到達したことは素晴らしいと思います。ただ谷繁という選手の価値は通算安打数にはありません。それは長年彼が第一線で活躍してきたことの単なる結果であり付属物です。それをもって谷繁を必要以上に称賛するのは間違った評価であり、谷繁に対して失礼だとさえ思います。

 では谷繁の選手としての価値は何かと言われたら、当然捕手としての出場試合数でしょう。野村克也の持つ記録を目標にしていると常々彼自身が言っているように、長きにわたってレギュラー捕手として出場し続けていること、さらに言えば、その上で常にチームを上位に導いていることが谷繁の一番評価されるべき点です。

 捕手はグランド上の監督です。9人の選手の中で捕手だけが逆を向いて構えていることに意味があります。良い捕手のいるところに強いチームがあるというのが野球界の常識であり、この場合の「良い」捕手とは当然打撃ではなくリードを含めた守りであり、その頭脳であり、サッカーでいうところのキャプテンシーです。

 南海が強かった頃の野村、V9巨人を支えた森、常勝西武の伊東、ヤクルト黄金時代の古田。みな頭脳でチームを支えた選手です。野村や古田は強打の捕手でもありましたから、つい個人記録でわかりやすい打撃成績で評価しがちですが、僕は捕手は監督と同じようにチームの勝利数や優勝回数で評価すべきではないかと考えています。

 谷繁は横浜時代に日本一を経験していますし、中日移籍以降は常にAクラスの成績を残しています。そして大きな怪我をせずに激務の捕手を長年勤めてきました。2000本安打なんて本当にその結果に過ぎません。谷繁は今年最下位に沈むチームのことを誰よりも憂えているし責任も感じていることでしょう。なにせ今季の中日の不振は投手の不振であり、それが一番身に沁みてわかっているのが捕手だからです。

 なんとか最低でも今年Aクラスに入って欲しいと思います。じゃないとせっかく2000本安打を打っても本人も全然喜べないでしょうから。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • Unknown
    高卒でプロ入りしてからすぐに一軍入りし、現在まで24年間、一度も長期離脱がない点がすごいですね。野村克也はレギュラーになるのに3年かかりましたから、谷繁が試合数の記録で野村に追いつき追い越せそうなのは、その差ですね。

    谷繁も全試合全イニング出場しているわけではありませんが、彼が受けた時と他の捕手との防御率の差、もしくは彼が出場した試合と欠場した場合の勝率の差を出してみたら面白いことになると思いますが、スポーツ新聞にもそういう記事は見当たりませんでした。

    ただ、一昨年、彼がけがで2ヶ月休むと途端に中日は負けがこみ、復帰するや再び勝ち始めたのは記憶に新しいです。彼の評価はこれがすべてな気がします。

    しかし、彼もそう遠くないうちに引退するでしょうが、そのあとドラゴンズはどうするんでしょうね……。

  • Unknown
    CHARADEさん、ご無沙汰しています。
    おっしゃる通り、ポスト谷繁がまったく用意されていないのがドラゴンズの最大の不安要因ですね。
    どこのチームもそうでしょうが、レギュラー捕手のスムーズな交代はなかなか難しいものだと思います。
    ほんと、どうするんでしょうねぇ。

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