有用と人徳と魅力

 年を取るにつれて自分に「人望」がないことに気づいてきました。若い頃はそんなことあまり気にしていなかったのですが、この年になって人望がないっていうのは、やはりこれまでの生き方に問題があった結果なので、他人のせいにもできず、ただただ落ち込むばかりです。

 では人望がある人ってどういう人か、僕なりにいろいろ考えてみました。例えば能力が高く人の役に立てる人、人徳が高くて尊敬を集める人、魅力的で目が離せない人、そんな人は人望があるというのでしょう。ただ「有用」「人徳」「魅力」はそれぞれ別の能力であり、人望という点からすると少し差がつきます。

 幕末の人物で例えれば大久保利通は「有用」な人、西郷隆盛は「人徳」の人、坂本竜馬が「魅力」の人だろうと思います(あくまでも現代のイメージで史実は違うかも知れません)。大久保は本当に能力が高く実務家です。ただ西郷ほど尊敬はされていません。西郷も決して無能ではなく有能なのですが、それよりも人徳の高さで人々が周りに集まってきます。

 竜馬は大久保ほどの有能さも西郷ほどの徳の高さもありませんが、それでも人を魅了する力で物事を成し遂げていきます。逆に考えれば大久保は誰にでもわかりやすい「役に立つ」という武器があるのに、西郷や竜馬の持つ訳の分からない力で人望的には負けてしまうのです。

 大久保はどんなに頑張って人のために働いても、いるだけで周りの人に尊敬される西郷や、無茶ややんちゃやポカをしても人に愛される竜馬に「人望」では勝てません。むしろ大久保は有能ゆえに嫌われることもしばしばあります。実に損な役回りです。

 この3人の中で実は僕が一番近いのは大久保かなと思います。大久保ほど有能ではないですが、西郷や竜馬には到底なれません。となると、自分に人望がないのも仕方ないのかも知れませんが、寂しい現実です。

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