悲劇の「サステナブル」

 久しぶりにAKB48の話です。長年にわたり年間4~5枚のシングル曲を発表してきたAKB48ですが、今年は3月に指原莉乃の卒業シングルとなった「ジワるDAYS」、9月に発売した「サステナブル」の2曲のみになりました。NGT48の事件の影響が長引き、恒例だった総選挙も中止になり、AKB48の凋落がはっきりした1年だったわけですが、それでも落選が囁かれていた紅白歌合戦には出場することができるのは幸運だったと言うべきでしょう。
 「サステナブル」は売上138万枚のミリオンセラーですが、残念ながら世の中にはその売上枚数に比して全く浸透していません。実感としては10万枚を下回ったくらいの印象です。長年AKB48ウォッチャーとして注目してきましたが、そんな自分でもどんな曲だったのかハッキリ思い出せないくらい音楽番組などでもあまり見かけませんでした。
 そこで改めてYoutubeで「サステナブル」を検索してみたところ、MVのフルバージョンが公式から上がっていたのでじっくりと見てみました(こちら)。見て驚いたのは、全盛期AKB48を彷彿とさせる曲でありMVに仕上がっていたことです。作りこみのレベルはかなり高いです。ブルーとホワイトを基調としたカラーイメージで、北海道の高原の中で女子高生たちが主役の少しセンチメンタルな夏ソング。しかも2006年から2028年までの6つの時制を取り入れている凝った構成になっていました。
 全盛期にこの曲、このMVだったら本当に大ヒットしていたかもと思わせます。調べてみたら作曲は「RIVER」「真夏のSounds good !」などの井上ヨシマサ、MVの監督は「大声ダイヤモンド」「言い訳Maybe」などの高橋栄樹、振付は「RIVER」「ポニーテールとシュシュ」などの牧野アンナと、全て全盛期にお馴染みのスタッフでした。原点回帰でいかにもAKB48らしさを狙った楽曲です。
 これがヒットをしないどころか話題にもならないというのは、もちろん時代のせいです。10年前のテイストそのまんまな曲を今に持ってきたところで流行るはずがありません。良い曲ですしお金もかかっていますが、この古さを今の新しくなったメンバーが歌ったところで「これじゃない」感ばかりが先だってしまい魅力は感じられません。
 どうしてもこの曲をヒットさせたいなら、今やアラサーになった全盛期の神7を中心としたメンバーで歌わせたら良いのです。MVにも柏木由紀や松井珠理奈が出てきます。全盛期を支えた彼女たちが出てくると途端にAKBっぽくなります。「サステナブル」のセンターが前田敦子だったらどう表現したのかを考えただけでワクワクします。新しい曲ですが中身は古い「サステナブル」は古いメンバーが歌ってこそ真価を発揮できた悲劇の曲でした。
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