『麒麟がくる』初回感想

 2週間遅れましたがいよいよ大河ドラマ『麒麟がくる』が始まりました。昨年の『いだてん』のネガを潰しに潰した完璧に王道をいく戦国大河で、僕は『いだてん』が面白くて好きだっただけに、少し寂しい思いを抱きましたが、『麒麟がくる』も楽しんで見ることができました。
 『麒麟がくる』の何よりの特徴は「わかりやすさ」でしょう。時系列があちらこちらに飛んで混乱することもないですし、無名の人ではなく、ちゃんと歴史上の有名人たちが登場して物語を進めてくれます。明智光秀と松永久秀が堺でサシで飲んだなんて突拍子もない話ですが、なにせ光秀の前半生はわかっていないのですから、可能性がゼロだとも言い切れません。さすがに映画「バックドラフト」の消防士顔負けの救出劇はどうなのぉ~?と思いましたけど。
 『麒麟がくる』で最も良かった点は「お花畑大河」ではなかったことです。最近の大河ドラマはエセヒューマンドラマが多く「人を殺すのは嫌だ」とか「生涯女は妻だけ最高」とか現代の価値観で戦国時代の主人公を描きたがりますが、光秀はいきなり野盗を殺しまくりますし、人買いも比叡山の僧兵が金を巻き上げていてもスルーです。こういうダークな中世をちゃんと描いているあたりはさすがでした。
 衣装の派手なカラーリングには賛否両論があるとは思いますが、当時の安い衣服は染料がどうしても原色になるので史実に近いのだろうと思います。ちゃんと大名や武器屋は渋い色の高そうな着物を着ていましたから、さすが黒澤明の娘の和子が衣装デザインを担当しているだけのことはあります。
 初回は松永久秀役の吉田鋼太郎が美味しいところを全部持ってったかなというくらい印象が強かったですが、久秀、道三、光秀と戦国のヒールがいきなり揃い踏みしました。対して秀吉や家康はもとより信長さえ初回に出さなかったというのも、計算づくでやってるなと思いました。問題の川口春奈の登場は短い時間でしたが、あれを10話分再撮影したのだと思うと、結構手間がかかっていそうです。
 細かいことに拘らずわかりやすさを優先させていながらも、歴史オタクが喜びそうな史実の検証もちゃんとやっていて(女性の立膝とか、京の町に三好の軍勢がやたらといたりとか)、さらに「おっさんずラブ」的なシーンを取り込んで若い女性受けも狙っていたりとか、本当に視聴率アップのためにあれやこれやと手を尽くしている感が半端なく伝わってくる大河ドラマです。
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • Unknown
    あなたの知らない日本史をどうぞ。
    歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)

    読み通すには一頑張りが必要かも。
    読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
    ネット小説も面白いです。

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