イギリスのエリザベス女王が亡くなりました。70年にわたって女王として君臨し、英連邦および世界のために尽くしてきた彼女に対して、イギリスのみならず世界中でその死を追悼している様子が報道されています。その尊敬されている様を見るにつけ、まさに「君臨すれど統治せず」の言葉通りの生涯だったのだろうと思います。
僕がまだ小学生だった1972年、佐藤栄作が首相を退陣して田中角栄に代わりました。「佐藤栄作がずっと総理大臣をやるんだと思っていた」と同級生たちと話をしていました。物心ついてからずっとそうだったものは不変だと子どもは刷り込まれてしまいます。頭ではわかっていても、実際に総理大臣が交代したことに驚きました。1974年、巨人のV9が途絶えて中日が優勝しました。巨人が優勝しないプロ野球があることに驚きました。長嶋のセリフではありませんが、永久に巨人が優勝するような錯覚を起こしていました。
1989年、昭和が終わって平成が始まりました。昭和が終わることも実感を伴いませんでした。さらにベルリンの壁が崩壊し東西冷戦が終わりました。永遠に続くことなんて世の中にはないんだと改めて実感しました。1993年には55年体制が終わり自民党が下野しました。1997年には香港がイギリスから中国に返還されました。1999年ノストラダムスの予言は外れ、2001年にはついに世紀が変わりました。子どもの頃には「未来」だと思っていた21世紀が始まったのです。2003年には鉄腕アトムの誕生日がやってきました。2015年には「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の中の未来にたどり着きました。まるでタイムマシンに乗ったかのような気分です。
それでもイギリスの女王はずっとエリザベス女王で、彼女は精力的に公務を行っていました。チャールズ皇太子がダイアナ妃と結婚し、王子たちが生まれ、離婚してダイアナ妃が事故死して、さらにヘンリー王子が結婚して王室を離れても、エリザベス女王は相変わらず女王のままいて、もしかしたらこの人こそ本当に不変なのかと思わせる存在でした。イギリス王室のみならず、まさに「世界の軸」という言葉が相応しい偉大な人物だったと思います。ご冥福をお祈りいたします。

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