男子テニスの新時代

 全米オープンの男子シングルス決勝はアルカラスとルードの激戦の末、アルカラスが勝ちました。この対戦で勝った方が初タイトルのみならずランキング1位になるという、まさに新時代のチャンピオンを決める一戦だったのですが、見事にアルカラスが勝って初の10代でのナンバー1になりました。史上最年少の1位というのも、新時代の幕開けに相応しいと思います。
 アルカラスは10代にしてすでにテニスがほとんど完成されています。サーブもストロークもボレーも巧みなだけでなく、フィジカルも強く、柔軟性もあり、なによりメンタルの強さと安定感が抜群です。10代でこれほど高いレベルで完成している選手は滅多にいません。同じ19歳の時点で比べたらフェデラーもジョコビッチも及びません。同レベルにあったのはスペインの先輩ナダルだけですが、ナダルはサーブもボレーもまだ10代では発展途上でした。
 19歳のアルカラスだけではなく、23歳のルード、そしてアルカラスとの対戦でマッチポイントをもちながら敗れた21歳のシナーも同じくフィジカルとメンタルが高いレベルで融合しています。彼らの少し上にメドベージェフ、ズべレフ、チチパスらがいますが、まさかすぐ下の世代にこんなに早く追いつかれてしまうとは思いませんでした。これだけ有望な若い選手が一気に出てきたということは、これまで20年間にわたってテニス界を支配してきたBIG3がいよいよ退場する時期にきたということかも知れません。
 とは言え、今年の他のグランドスラムはナダルが2つ、ジョコビッチが1つ取っています。またアルカラスとルードがランキングで1位と2位になったとは言え、ジョコビッチはワクチン未接種でグランドスラムに出られなかったり、出て優勝してもポイントがつかなかったりでしたし、メドベージェフも国籍ゆえに出られない大会があります。そういう意味ではランキングで超えてもまだ彼らを追い抜いたとは言い難いところです。
 来年のランキング争いは試合数を絞るベテランに対して若手の方が有利でしょうが、経験がものをいうグランドスラムは大混戦になりそうです。フェデラーが時代を作る直前の2000年代初頭の混戦状態を思い起こさせます。ようやく時代が回り始めました。
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