安倍国葬以前は何もしないで「検討使」と揶揄されながらも支持率を維持していた岸田首相ですが、国葬以降は暴走機関車のように突っ走っています。特に今回は防衛費倍増からの増税というワンツーパンチを繰り出して、国民や野党のみならず自民党、閣内からも反対の大合唱になってしまいました。なにせ根回しもせずにいきなりそんことをぶち上げればブーイングが起きるに決まっているのに、それもわからないほど愚かなのか、それともわかっていてなお押し切れると思っているほど傲慢なのか。少なくとも国葬でもそうでしたが、政治家としてのセンスがないとしか思えません。
国葬と旧統一教会問題で支持率は一気に下がったのに、今回の防衛増税ごり押しで完全に全方位から支持を失った感があります。恐らく支持をしているのは財務省だけでしょう。公明党も内心は反対なのでしょうが、旧統一教会に端を発した宗教法人と政党の問題を公明党も突っ込まれたくないので、文句を言っていないだけなのだろうと推察されます。もともと「財務省の犬」だと思われていた岸田首相は、安倍の重しが取れた今こそ増税チャンスだと考えているのが透けて見えます。防衛費を倍増するために増税と言っていますが、むしろ増税するために防衛費をダシにしているのではないかと僕は見ています。そもそも防衛費倍増という話自体、計算が大雑把過ぎます。
これだけ物価が上がり社会保険料も上がり、相変わらず賃金の上昇は抑え込まれたままなのに、さらに増税なんてしたら、みんな節約しかしませんから景気は冷え込むに決まっています。景気が冷え込めば税収も下がります。増税によって所得税、法人税、消費税が全て落ち込むというパラドックスです。やるべきはむしろ減税をして消費を増やし経済活動を活発にすることのはずなのに、まるで江戸時代の殿様のように領民は飢えても藩の財政がやりくりできれば良いとでも考えているかのようです。
ここまで反対意見が続出しても増税を強行するつもりなら、解散総選挙を求めるしかありません。「防衛費倍増&増税」が是か非かを争点に選挙で信を問うのが筋です。もっとも安倍国葬もそうでしたが、選挙どころか国会審議すら経ないで閣議決定だけで押し通そうとしてきたのですから、そんな負けるとわかっている選挙なんかする気は毛頭ないでしょう。あとは自民党内で「岸田おろし」が始まるのを待つしかないのかも知れません。岸田首相の属している宏池会は、池田勇人の時代から経済重視、軽軍備がポリシーだったはずなのに、ここまで真逆の政策を押し通そうとするとは、さすがに想像すらできませんでした。

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