時々HDDに録画したまま見ていない昔の映画を時間のある休日に見ることがあります。今日見たのは2009年公開の『おっぱいバレー』。北九州の中学校に赴任し、男子バレー部の顧問になった新米教師の美香子。しかしバレー部メンバーはまともにボールを触ったことがない素人ばかり。それゆえ廃部寸前にあることを知った美香子は、生徒たちに勝ったらおっぱいを見せると約束してしまう、という青春学園コメディ。原作は水野宗徳、脚本は岡田惠和、監督は羽住英一郎。主演は綾瀬はるかです。
公開された時にはタイトルだけでちょっと「受け狙い過ぎる」とバカにしていたのですが、その後の映画評では意外に悪くないようなので、とりあえず録画したままHDDの奥に眠っていました。最近ドラマ『不適切にもほどがある!』で描かれている1980年代の社会風俗を見ていたら、そう言えば『おっぱいバレー』も似たような時代を描いていたんじゃないかと思い出して、ようやく見てみた次第です。いやぁ、もっと早く見れば良かったです。
映画の舞台は1979年の北九州。まず映像のトーンが少しセピアがかっていて全体に渋いのです。古い映像を見ている気分になります。もちろん街を走る車も登場する人物のファッションも小物もこだわっていて、見ていて懐かしさで胸が熱くなります。さらに劇中歌が我々世代には泣けます。『渚のシンドバット』、『ルージュの伝言』、『HERO(ヒーローになる時、それは今)』、『オリビアを聴きながら』、『卒業写真』、『燃えろいい女』、『微笑がえし』などなど、まさに自分の青春時代ど真ん中。特にラストの電車で街を去っていく先生を生徒たちが見送るシーンで流れるキャンディーズの『微笑みがえし』は最高にはまっていました。
もちろん懐かしいだけの映画ではありませんし、単なるエロ風味のドタバタコメディでもありません。綾瀬はるか演じる寺嶋美香子の教師としてのほろ苦い成長物語です。彼女が教師になった理由も、その後の辛い失敗も含めて、丁寧にきちんと描かれています。脇を務めた青木崇高や仲村トオルも良いです。綾瀬がこの作品で日本アカデミー賞の優秀主演女優賞などを受賞したのも頷けます。サイボーグだったり座頭市だったりスパイだったり、極端に振った役柄を演じることが多い綾瀬ですが、等身大の普通の若い女性を演じたこの作品は、『海街diary』と並ぶ彼女の代表作と言っても良いでしょう。タイトルで食わず嫌いするのがもったいない映画でした。

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