現在開催されているジャパンオープンテニスで、世界ランキング188位の伊藤あおいが快進撃を続けて準決勝に進出しています。伊藤は予選から勝ち上がり、1回戦で2020年全豪女王のソフィア・ケニンを撃破。これだけでも驚くのに、さらに続く2回戦では同50位で第8シードのエリザベッタ・コッチャレットにストレート勝ち。そして準々決勝でも同118位のエバ・リス相手に6―7、6―2、6―3と見事に逆転勝ちをしたのです。結果だけ見れば驚きの快進撃ですが、以前から伊藤を見てきた人からしたら、ある程度は予測できていたかも知れません。
伊藤は現在20歳で、ジュニア時代からすでに世代ではトップクラスの選手でしたが、華々しい タイトルなどはこれまで獲得していません。そんな伊藤が一部のファンに注目されているのは日本選手としては独特の「ヘニョヘニョ系」プレイスタイル。型にはまらないプレイぶりで、フォアはスライスやロブを多用し、かわしてばかりいるのかと思ったらバックハンドのジャックナイフで錦織圭ばりの強烈なダウンザラインを叩き込みます。ボレーもドロップやアングルに落とすテクニシャンぶりで、とにかくリズムがつかみにくいのです。
プレイだけではなくコートでの立ち居振る舞いも独特で、笑顔も派手なガッツポーズもなく淡々としていて、一見やる気がなさそうに見えます。さらに言動も個性的で「お金のためにプロになった」「早く稼いで引退したい」などと言ったりしています。画一的なコーチングのせいか、同じようなプレイスタイルの選手が多い日本でよくこんなプレーヤーが育ったものだと思います。それだけに世界の壁に当たっている昨今の日本女子選手ばかりの中で、海外の大柄なパワー系の選手にも違うアプローチで対戦する伊藤が通用するのではないかという期待がありました。
伊藤は最近人気テニスYouTubeチャンネル「スターテニスアカデミー」(スタテニ)に出演したせいで、テニスファンの間での注目度が上がっていました。その直後にこの大活躍なのですから、スタテニとしてはしてやったりでしょう。日曜日に行われる準決勝でも今の快進撃が続くのかどうか、期待して見守りたいと思います。

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