トランプとゼレンスキーの会談は外交史上類を見ないという公開でのブチ切れ口論となって破談してしまいました。ネットに上がっていた動画で見ましたが、トランプが途中で切れたのもわかりますし、ゼレンスキーの一徹さも伝わってきます。そして副大統領のバンスが、こうなるきっかけを作ったのも動画を見ているとわかります。それぞれの思惑があって、最初から難しい会談なのはわかり切っていることですから、普通はもっと事前に地ならしをして臨むものだろうと思うのですが、なぜあんなことになってしまうのかと不思議な気がします。
そもそもマスコミに公開している時間が長いです。通常ならもっと短い時間だけ公開して、あとは非公開で進めるものらしいですから、公開の席で口論となってしまってはお互いに引くに引けません。バンスがいきなり割って入るのも不自然です。普通は首脳同士が直接話しているところに横から口を出して、しかもあんな挑発的な言動をしないでしょう。あれは芝居なのかバンスの地なのか。ゼレンスキーが通訳なしで会談に臨んでいたのも不思議です。いくら英語が話せるからと言っても、やはり慎重に会話をしなければならないのですから、通訳を介した方が不用意な発言は出にくいだろうと思います。
そういう通常の首脳会談ではあり得ないことが積み重なって、ゼレンスキーはもちろんですが、トランプにとっても得るものがない最悪の結果となってしまいました。それは世界にとっても恐らく最悪な結果です。喜んでいるのはプーチンだけでしょう。侵略戦争を始めたものの、長引く戦いで世界から孤立して戦費は嵩み出口が見えない状況だったのに、トランプが一気に引っくり返してくれました。トランプはプーチンの都合の良い飼い犬になってしまったわけです。今頃プーチンは己の幸運に高笑いしていることでしょう。
民主主義を奉じる西側諸国のリーダーだったアメリカが、トランプによって一気にロシア中国北朝鮮と同じような独裁国家に変貌しつつあります。トランプが酷いことはわかっていましたが、ここまでとはさすがに予想していませんでした。まるで19世紀の帝国主義全盛の世界に時計の針が逆戻りしたかのようです。今後は強国が自分たちの都合だけで世界を好きなように振り回すのでしょうか。すでに兆候は表れています。
そんな中で、当然日本も振り回される側にいます。なにせアメリカの属国扱いなのは戦後80年経っても変わっていません。地位協定もそのまま、米軍基地も国内に残っています。軍事的にはアメリカの気持ちひとつでいつでも日本はアメリカに再占領されてしまいます。中国とアメリカが取引して沖縄を中国に割譲することもできてしまいます。さすがにそんな荒唐無稽な話はないだろうと思いたいのですが、同盟国を簡単に見捨てるトランプと、それを支持するアメリカ国民を見ていると、とても安心してはいられません。
とは言え、「脱従米」も現状のままではかなり非現実的な選択肢ですし、地政学的に日本はヨーロッパから遠く離れていて、中国やロシアの隣国です。トランプが言う「第3次世界大戦」が起きた時に、日本だけ巻き込まれずに平和でいることはかなり難しいでしょう。せめて国土が戦場にだけはならないようにと願いますが、それも叶うかどうか。外交努力でと言うのは簡単ですが、難しい舵取りをしながら日本が戦争に巻き込まれない努力を政治家は続けて欲しいですし、国民も妙に威勢の良い言論に惑わされないようにしないとなりません。戦争で死ぬのは常に立場の弱い人々なのですから。

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