昭和38年の紅白歌合戦

 先日『懐かしの「NHK紅白歌合戦~第14回」(リマスター版)』が放送されました。1963年(昭和38年)の紅白歌合戦です。この年の紅白はNHKに映像が残っている最古の紅白として知られていて、その映像の一部が時々切り取られて放送されることがありますが、頭からお尻まで通して見たのはもちろん初めてでした。実に興味深かったです。
 当時僕は2歳なので、この紅白自体の記憶はありません。ただ登場する歌手や芸能人、また歌われる楽曲には馴染みがありますので、見ていて懐かしかったり面白かったりで、一緒に見ていた昭和歌謡好きの娘にいろいろと解説しながら2時間40分の放送を見ました。今から62年も前の番組なので、そもそも出てくる人の大半が鬼籍に入っています。クレイジーキャッツもダークダックスも一昨年メンバー全員がついに亡くなってしまいました。今もテレビでちょくちょく見かけるのは吉永小百合、黒柳徹子、中尾ミエ、北島三郎くらいでしょうか。
 北島三郎はこの時が初出場ですし、舟木一夫もデビューしたての新人、スパーク三人娘もセットで出てきてメドレーしていました。紅組司会の江利チエミも大トリの美空ひばりもベテラン風ですがまだ26歳。演歌と洋楽カバーのオンパレードで、J-POP全盛の今とは大違いです。娘は洋楽カバーが出てくるたびにファッションも含めて「昔のディズニー映画みたい」と言っていましたが、その「昔」の時代の紅白ですから、それも当たり前です。森進一も和田アキ子もデビュー前、どころか西郷輝彦さえいないので元祖御三家すら揃っていない時代なのです。
 この紅白が終わって年が明けると1964年、東京五輪イヤーということで、全編にわたって活気が漲っている感じを受けます。日本の高度経済成長時代の空気が伝わってくるようでした。番組も「合戦」の意識が強くて、お互いにかなり煽り合っています。今の仲良し紅白とは大違いです。「男のくせに」「女はか弱い」などの言葉がポンポン飛び出してくるのも、この時代ならではです。
 とても興味深かったのですが、もちろん自分のど真ん中ストライクの時代ではありません。見てはいませんが過去に1971年放送の「第22回」と1969年放送の「第20回」も全編リマスター版で再放送しているそうなので、できたらもう少し時代が下った1980年前後の紅白を再放送してくれたら感涙にむせび泣くかもしれません。第一希望は1978年の第29回。山口百恵と沢田研二がトリを務めた伝説回です。演歌が少なくニューミュージック系の歌手がたくさん出場したので、ぜひ見てみたいです。
 
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次