古代ローマ時代、権力者から無償で与えられる「パン」(食料)と「サーカス」(娯楽)によって、ローマ市民は満足し、政治的に無関心になったことを指摘した警句が「パンとサーカス」です。今では愚民政策の比喩としても用いられる言葉ですが、今の日本を見ていると本当に「パンとサーカス」の状況が続いていて、どんどん国力が落ちているのに危機感を持たない国民が多く、ますますポピュリズム政治家が跋扈しているように感じます。
今の日本で「パン」と言えば米問題でしょうか。シンジローが備蓄米を放出したことで自民党の支持率が5ポイントも上がったとかいう情けない調査結果も出ているようです。まんまと政権の思惑にのってしまっています。そもそも米価が上がっていたのは自民党の失政なのに、根本的な問題を調べず解決もせずに、備蓄米をゼロにして政治介入し米価を下げたツケは必ず国民に回ってきます。さらに石破政権は2万円の現金給付などという税金を使った買収までやろうとしているわけで、さすがにこれは野党のみならず党内からも批判が出ているようですが、国民はそれで喜んでいる場合ではありません。
サーカスの中で一番注目度が高いものは大谷でしょうか、それともサッカーW杯でしょうか。もしかしたら芸能人の不倫かも。もちろん娯楽は重要ですし、そもそも娯楽のことばかり書いている僕ですから、娯楽を楽しめる社会であることに感謝していますが、だからと言って世の中の大事なことを忘れてしまっていいわけでもありません。日本の政治の停滞ぶりは言うに及ばず、ロシアやイスラエルによる市民への無差別攻撃を恥じない暴虐にも関心を持たないといけません。ウクライナやガザは遠い国の話のようですが、明日の台湾、沖縄かも知れないのです。
よくリベラル系の人たちは「投票率が上がれば自公政権は倒れる」と言いますが、本当でしょうか?投票率が低いと組織票を持っている党が有利なのは確かでしょうが、投票率が上がったら本当に浮動票とか無関心層とか呼ばれる人たちが、小難しいことを言うリベラル系に票を投じてくれるのでしょうか?「パンとサーカス」に踊らされている人たちは、簡単に見た目の良い候補者に騙されます。簡単に2万円の給付金でごまかされます。政治や経済や国際関係や人権問題は複雑で簡単に解決できるものではありませんが、ワンイシュー、ワンメッセージで騙しにかかる連中は、そういう面倒なことは言いません。フェイクでも何でもいいので、とにかくわかりやすいことを言って、アメリカのプアホワイトを岩盤支持層にしてしまったトランプが良い例です。
トランプを選んだアメリカを笑っていられるかどうか、選挙では日本人の知性と良識が試されます。とりあえず参政党とかN国のようなわかりやすいカルトに票を投じるのだけは勘弁して欲しいです。

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