二面性のある人

 国分太一の件は結局何があったのかわからないままなので、ずっと憶測的な記事が流布されていますが、それも正しいのかどうなのかわかりません。問題があったのなら今頃になって叩くなよと思う反面、力のある人に対して正面切って言えるわけないじゃないかと言うのもわからないではないです。国分の場合は「パワハラ体質」であるという話と、「親切で良い人」という話が両方存在していて、どちらも本当にそう思われていたようですから、要は相手によって態度を180度変えていたんだろうなというのは推察されます。
 そういう二面性というか裏表のある人というのは国分に限らず世の中にはそれなりの割合でいます。多くの場合はそのうちの一面しかこちらには見せてこないのでわかりにくいのですが、よく観察していると「あれ?」と思う部分が必ずあります。僕は若い頃からこういう「裏と表」がハッキリしているタイプが嫌いで、それゆえに自分自身もなるべく上に媚びず下に偉ぶらずを心掛けていました。自分ではそれが人としてあるべき姿だと思っていたのですが、社会では「生意気」で「反抗的」で「協調性がない」と主に上の人から思われることも多く、損得で考えたら損だということは早いうちにわかりました。わかっても敢えて嫌な自分になるようで変えることはできませんでしたが。
 もちろん二面性があると言っても濃淡は人それぞれです。国分はかなり白か黒かとオセロのように裏表がクッキリと変わっていたのかも知れませんが、普通はなかなかそこまで徹底できるものでもありません。逆に僕だって完全にフラットに全ての人に接することができていたわけではなく、礼儀として年長者を立てることはするし、年下にはラフな態度で接していました。そういう意味ではほとんどの人が濃淡はあれども二面性があると言えるのかも知れません。
 ただ本当に嫌な裏表があるタイプはいて、上には絶対服従で奴隷のように接し、それの裏返しとして王様のように下に絶対服従を求めるような人にはこちらも逆にかなり好戦的な態度で臨んでいました。今思えばもう少し適当にあしらっておけば良かったのかも知れませんが、つい血が滾るというか、なんでお前のような人間に従う必要があるんだと思ってしまうので、そりゃあ「反抗的」だと言われたらその通りです。向こうにしてみれば自分が上に絶対服従でやっているんだから、下に反抗されたら腹が立つのも当たり前です。
 逆に下の人間が僕の言うことは何でも聞くのに、下に偉そうにしているのも嫌いで、いつも「そんなに偉そうに言うな」とたしなめていましたが、あれも言われた方にしてみれば、そんな忠告程度で反省などしないし、なんかうるさいことを言うなぁと思っていただけでしょう。これはもう生き方の違いですから、そう簡単に変えられるものではありません。
 僕は常にフラットな人間関係が好きだし、その方が楽だと思っていますが、上下関係がはっきりしていて命令系統が明確な方がわかりやすくて良いと考える人も多いのだろうと思います。フラットな場合はそれぞれが自分で考えて行動しなければなりませんから、時間もかかるし混乱も起きやすいし、何より自分で考えるのが面倒な人には耐えられないのでしょう。世の中には判断を人任せにする人が意外と多いです。二面性のある人というのは、そういう志向でもあるのかなと、国分の件で改めて考えたりもしています。
 
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