大相撲秋場所12日目。ここまで全勝の横綱豊昇龍と新小結の安青錦の注目の一番は、予想通りの激しい相撲になりましたが、安青錦が豊昇龍を上回る速さと技の巧みさを見せて、見事に切り返しで横綱を土俵上に引っくり返しました。強いです。豊昇龍のお株を奪ったような勝利でした。豊昇龍にとってはこの相撲内容で負けたのはショックだろうと思います。お互いの得意をぶつけ合って負けたのですから、これから先、ますます強くなる安青錦対策をどうしていくのか悩むに違いありません。
それにしても安青錦は場所ごとに強くなっていきます。初土俵はまだ2年前の秋場所。初土俵からわずか9場所で新入幕は付け出しを除く史上最速タイ記録。半年前の今年の3月春場所のことです。この頃からメディアでも頻繁に取り上げられるようになりました。新入幕の場所で11勝敢闘賞。翌5月場所も11勝敢闘賞、そして先場所7月場所も11勝で技能賞。快進撃が全く止まりません。新三役となった今場所もここまで9勝3敗です。
どんな成長株の力士でもどこかで一度は壁に当たるものです。急激に番付が上がれば、いつか実力よりも番付の上がり方が勝ってしまい、そこで足踏みをするのですが、安青錦がもっとも勝率が悪かったのが新十両の時の10勝5敗。この成績では壁にぶつかったとは言えないでしょう。先場所初めて上位陣に当たっても横綱大関に勝ってしまい勝率が変わらないのですから、番付の急上昇に実力が追いついていっている証明です。
今場所は若隆景が大関昇進を目指す場所でしたがあえなく失敗。代わりに安青錦が次の大関候補一番手になりました。本来は三役で3場所33勝が昇進の目安ですが、安青錦は先場所平幕で11勝でしたが上位陣と対戦していることも考慮に入れたら、来場所もう大関を目指す場所にしても良いのではないかと思います。それほど相撲内容が素晴らしいです。東欧出身の力士では過去に琴欧州、把瑠都、栃ノ心の3人の大関がいますが、いずれも横綱にはなれませんでした。彼らはみな大柄でパワー型の力士でしたが、安青錦は小柄で全くタイプが違います。大関はもちろん横綱まで手が届くか、この先を楽しみに見届けたい力士です。
