日本のプロ野球にはこれまで沢村栄治賞、正力松太郎賞という人の名前を冠した賞がありますが、来年から長嶋茂雄賞が新設されるということです。「走攻守で顕著な活躍をし、かつ、グラウンド上のプレーにおいて、ファンを魅了する等、日本プロ野球の文化的公共財としての価値向上に貢献した野手」に贈られるということで、要は長嶋のような選手に贈るよと言っているわけですが、そんな選手は長嶋しかいないんじゃないのと思います。強いて言えば大谷翔平やイチローなら相応しいかもと思いますが、2人ともメジャーリーガーで、大谷は投手ですしイチローは引退して久しいです。
今日のテレビでも落合博満が「現時点では見当たらない」と言っていましたが、全く同感です。空想上のユニコーンを探すみたいな賞では毎年「該当者なし」になるか、もしくは無理に選出して「どこが長嶋だ」となるかの二択でしかありません。沢村賞は具体的に完投数や勝利数などの項目ごとに基準が示されていますから納得性が高くなりますが、それでもかつて数字で上回る江川を差し置いて西本を選んで騒動になったことがあるくらいですから、抽象的な文言だけでは到底選ぶ方も選べないでしょう。誰が選考委員をするのかもまだ決まっていないようですが、具体的な数字を用いないで印象だけで選ぶのであれば、選考委員は王貞治ひとりにして、王が決めたなら仕方ない、と納得させるしかないでしょう。
ちなみに長嶋茂雄賞を作るなら当然王貞治賞もあってしかるべきです。長嶋賞が「走攻守でファンを魅了する」野手なら、当然王賞は「長打力で顕著な活躍」をした野手が対象になるでしょう。こちらは本塁打王と被ってしまう可能性が高いですが、本塁打数だけではなく打点数、四球数、長打率なども加味すると「らしく」なるかも知れません。高木豊も言っていますが、なにより王が生きているうちに作って、王本人から賞を渡してもらえるように急いだ方が良いと思います。
