借金大国の利上げ

 僕は経済の専門家でもなんでもないですが、素人目に見ても来年度の過去最大規模122兆円超の当初予算案は大丈夫かと心配になります。金利上昇している局面で多額の国債頼みの予算案は利払いで多くが消えてしまいます。高市政権は「責任ある積極財政」だと主張していますが、むしろ「無責任な放漫財政」ではないかと危惧されています。実際、利上げしているのに円安が止まらないことからも、マーケットが決して規律ある財政政策だと考えていないのがわかります。

 現状の日本は「円安」「債権安」のダブル安ですが、これでさらに「株安」になったらトリプル安で「トラスショック」と同じになります。イギリスのトラス政権は高市政権と同じ積極財政を主導してトリプル安を招き、その責任を取って1ヵ月半で退陣しました。トラス政権が超短期政権だったことで、イギリスは何とか方向転換が早くできましたが、日本ではそうはいきそうにありません。なぜなら政治家もマスコミも高市政権の支持率の高さにびびって政権批判を控えているので、今のままでは高市政権が退陣する可能性がないからです。

 しかしこのまま高市政権の放漫財政策が進み、トリプル安による「サナエショック」を引き起こせば、日本は絶望的な不況に陥ることが予想されます。今でさえ上がり続ける物価高に国民は喘いでいるのに、金利上昇は住宅ローンを返済している個人にも、原材料費や人件費の高騰で資金繰りに苦しんでいる企業にもさらなる重い負担になります。大不況になってしまったら企業の倒産ラッシュや、借金に苦しむ人の自死が相次ぐかも知れません。それなのに高市首相は国会答弁で金利上昇への危機感を問われて「長期金利が上がり続けていくこと『よりも』、これから日本が成長していく、どんなリスクにも強い国になっていく、それによって債務残高対GDP比が緩やかに下がっていくという姿を見せる方が大事だと思っている」と答えていました。台湾有事の時と同じく恐らく官僚の手ではないアドリブでの高市流答弁かと思いますが、どうやって利上げが続いているのに成長できるのでしょう?

 金融市場の混乱「よりも」成長が大事と言っても、金利上昇していたら成長しようにも企業は金利に足を引っ張られて成長投資などできるはずもありません。財政が悪化するだろうとマーケットが警告を発しているのが金利上昇なのですが、それに耳を傾けることもなく、掛声だけの成長戦略など絵に描いた餅にすらなりません。そうじゃなくても台湾有事発言で中国との関係を冷え込ませてしまい、わずかな期間で大きな経済的損失をすでに出しています。自ら経済にブレーキを踏みながら加速しようと口だけで言っても、その成長戦略に説得力は皆無です。平和主義を捨て戦争のできる国にしようとしているのも怖いですが、経済音痴で言っていることとやっていることの矛盾を理解していないのも怖いです。とにかく「株安」だけは最後の砦として起きないように守り抜いて欲しいです。

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