それは誰のどういう政策か

 週刊女性が「高市首相の政策で評価できる」アンケートを取ったそうです。30代~60代の男女500人ということですから、サンプルとしては足りないと思いますが、その結果には想像通りというか、なるほどなぁと思いました。

 5位は「スパイ防止法の検討」。なんとこれがプラス評価されているのです。「日本はスパイ天国だから」などと答えているようですが、実際どこでどんなスパイの被害があったか知っているのでしょうか?ネットで聞きかじった真偽も怪しい情報に踊らされているだけではないのかということと、そもそもスパイ防止法はこれまで国家秘密法案として検討されては廃案に追い込まれています。なぜならスパイの定義が曖昧で、表現の自由を侵害し人権を損なう恐れがあるからです。戦前の治安維持法のように政府に批判的な言動をすれば日本人を「お前はスパイだな」と決めつけて逮捕できてしまう危険性をはらむからです。今のようにすぐに気に入らない意見に「反日」などとレッテル張りをするような社会では、どんな運用をされるかわかったものじゃありません。ロシアや中国のような独裁国家への一里塚的な法案なのに、みんな自分はスパイだと疑われるようなことはないと安心しきっているのでしょう。

 4位は「年収の壁178万円への引き上げによる、所得税の減税」。これは高市政権の政策ではなく、国民民主党の政策です。実際に所得税の減税ができるかどうかも定かではないし、そもそも財源論を抜きにしているので結局赤字国債を増やすだけになりそうです。3位は「ワークライフバランスという言葉を捨て、働いて働いて働いて働いて働いてまいります」発言。経営者ならともかく、なぜ労働者がこれを支持するのか理解できません。せっかく長年かけて過重労働をさせない制度作りをしてきたのに、それを引っくり返すような発言を支持する労働者がいることに驚きます。長時間労働を推奨するなど、自分で自分の首を絞めるようなものなのに。

 2位「外国人による土地取得ルールの検討」。もちろん一定のルールを作ることは必要でしょうが、今の外国人に対する規制を強めようという動きは、参政党が火をつけて一気に燃え広がった山火事みたいなもので、根っこにあるのが外国人を排斥したいという暗い欲求です。日本は外国人を受け入れなければもはや社会が回らないようになっているのに、闇雲に外国人を追い出そうという動きを支持することは、日本の社会が回らなくても良い、もっと日本が貧しくなっても構わないという表明になります。いかに共生していくかをきちんと模索する必要がありますが、その議論抜きにただ外国人を追い出そうというだけでは未来はありません。安倍政権が積極的に推し進めた外国人との共生を、安倍崇拝の高市政権が引っくり返そうとしている自己矛盾。

 1位「ガソリン税の暫定税率の廃止」。これこそ高市政権ではなく石破政権の手柄です。3党合意を交わして長年の懸案を解決したのは石破政権なのに、その石破を引きずり降ろした高市の手柄にカウントするというのは、あまりにも出鱈目です。たまたま実施のタイミングが合っただけのことです。それもわからずにこれを高市の政策の1位にしてしまうような人たちのアンケートなんて、全く信頼に値しません。値しませんが、高市の支持率の高さは、こういう人たちによって支えられているというのも事実で、このアンケート結果もそれを裏打ちしています。経済や外交の専門家の警鐘など、難しくてわからないから誰も聞いていないんです。政策を理解できない人たちが作る日本の未来を憂うばかりです。

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