富裕層ほくほく

 自民党が圧勝するという新聞予想が出てさらに「高市トレード」が進みそうな勢いです。株高、円安、債券安が長期トレンドになるという読みです。株価は今でも日経平均が5万円台を余裕で超えているので、自民党圧勝なら6万円台を窺うことでしょう。年末にはどこまで上がるかわかりませんが、年初の倍の10万円を目指すかも知れません。まさかとは思いますが、まさかが起きるのが株の世界です。

 すでにこの数年で日本株は予想を超える勢いで上がっています。僕は5年前に退職金のほとんどを株に投資しました。教科書的に言えば、老後資金でそんなリスクの高い運用をするのではなく、定期預金や債券などで資産を守ることを考えましょう、ということになると思います。しかしこの5年間そんな利回りの低い商品で運用していたら、この物価高で今頃どれほど生活苦に悩まされていたか想像もつきません。少なくともいきなり車が壊れても、退職金で買った株を一部売って中古車が買えたのですから大助かりです。12月に株を売却して証券口座の残高がガクッと減りましたが、1ヵ月半でそのマイナス分を埋めてお釣りがくるくらいに株価は上がっています。

 僕のような少額投資でもそれなりに恩恵を受けているのですから、金融資産が億を軽く超えるような富裕層なら、かなりこの株高で潤っていることでしょう。日本はかつての「一億総中流」時代から転換し、富裕層と貧困層が増えて、中間層が薄くなっています。いわゆる二極化がどんどん進んでいるのです。当然のことながら富裕層と貧困層の間で分断が進むはず、なのですが、なぜか貧困層が富裕層にとって有利な政策を支持するという不思議な現象が起きているので、ますます富裕層だけが「ほくほく」する社会になってきています。その典型が高市トレードです。

 株高で富裕層の資産は増え、円安で物価は上昇し大企業が儲かり、債券安により金利が上がり住宅ローンの返済は重くなり生活は苦しくなります。当然貧困層は高市トレードに反対するはずですが、そうなっていません。これはトランプを支持するラストベルトのアメリカ人と同じ状況で、「肉屋を支持する豚」だと揶揄されていますが、どうやら「豚」になっている人たちは理屈ではなく感情で動いているので、強さを誇示するリーダーと一体になって応援することで自分も強くなったような気分になれるから支持するらしいです。自分たちがどうせ貧困から抜け出せないなら、せめて良い気分でいたいのでしょう。わからないではないですが、それではいよいよ富裕層だけが「ほくほく」ですが良いんですかねぇ。

 

 

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