エステーの「消臭力」と言えば、「しょうりゅうりょく」ではなく「しょうしゅうりき」だとわざわざCMで強調するおかしさが話題でしたが(長州力にちなんでつけられているからです)、いま流れているCMは金髪の美少年がいきなり「しょ~しゅう~りきぃ~!」と歌って驚かすバージョン。相変わらずエステーは変なトーン&マナーのCMを作るなぁと面白がっていたら、なんとあれは震災バージョンだっということを知りました(こちら)。
なんでも用意してあったCMを敢えてお蔵入りにして、震災後に急遽企画したそう。あくまでも商品CMとしての立ち位置を守りつつも、震災後の人々の気持ちを考慮して、さらにエステーらしい「驚き」と「笑い」を入れたそうですが、確かに反発や顰蹙を買うような表現は避けつつも、多くのともすれば押しつけがましい善意の震災CMに比べてずっと肩の力が抜けています。これが「エステー流」なんだと言われると納得です。
しかも、あの少年の背景の街はリスボンですが、リスボンを選んだのも実は今回の震災と関連があるそう。リスボンは1755年に地震と津波で6万人以上の犠牲者を出していて、そこから復興して美しい街を築いた歴史を持っているそう。東北の復興を願って敢えてリスボンを選び、それをCMでは全然触れないで見せるだけなのも良いセンスをしています。
震災後に作られたCMがたくさん流されている昨今ですが、こういう意図をしっかり持っていて、なおかつそれを直接的に表現しない抑制が効いたCMはそれほど多くありません。どうしても過剰に語りたがるクライアントが多い中、削ぎ落とした表現で伝えるCMを作ったエステーの決断に拍手を送りたいと思います。

コメント
コメント一覧 (2件)
リスボンか
クリタさんは「削ぎ落とした表現」と評価されますが,
削ぎ落としすぎではないですかね。
せめて,画面に「ロケ地:リスボン」とか入れてくれないと,
評価するためのキューさえ,多くの人は喪失するでしょう。
「隠れた物語はwebから」というのは,ちょっと陰徳すぎるなーと感じる次第でございます。
Unknown
まあ不親切と言えば不親切ですが、たかだか15秒で情報を盛り込み過ぎるとかえってメッセージが伝わりにくくなります。よくわからなくても感じ取れるものがあるならそれで良いという割り切りが消臭力のCMにはあって、それが良いなぁと思いました。