落合監督の辞任と高木守道氏

 中日ドラゴンズの落合監督が今季限りで退任し、後任に高木守道が再び就任することが発表されました。落合は今年で契約が切れるので、もしかしたらそうなるかもとは思っていましたが、後任が高木ということには驚きました。

 落合は「勝つ」という目的のための監督としては、中日球団史上最高だと思います。また今のプロ野球界を見渡してもこれほど「勝てる」監督は滅多にいません。万年2位で優勝も10年に一度、日本一が遠かった中日が常勝球団となり日本一も達成できたのはまさに落合の功績です。普通ならこんな名監督の首を切るなんてあり得ません。首を切ったらすぐにナベツネが原を辞めさせて巨人監督に据えてしまいそうです。そんなことになったらもう中日は巨人にボロ負け確定です。

 ただ中日球団として頭が痛かったのは観客動員数の減少、そして営業面への落合の非協力ぶりだったと思います。単純に勝てば観客も増えるということなら問題はないのですが、実際には「落合の野球はキライ」というファンが一定数いて、勝っても動員が伸びないのですから、球団としては未来永劫落合監督でいくわけにはいかなかったのだろうと推測されます。

 中日球団の考える理想の監督とは「勝てて」「客も呼べる」「生え抜き」です。そういう意味では星野はやはり監督として秀逸でした。落合ほどは勝てませんでしたが、パフォーマンスも含めて人気があり営業貢献度は高かったのですから。そして次の中日の監督は誰がどう考えても立浪をおいて他にないはずです。

 しかしここで白羽の矢が立ったのが高木守道。僕たち世代より上の中日のオールドファンにとってはまさに「神様」のような存在の「ミスタードラゴンズ」。日本プロ野球史上最高の二塁手であり、名球会の創設時からのメンバー、監督も経験した殿堂入り野球人が、70才になってなぜ今さら監督に復帰するのか?まあファンの目から見てもおぼろげにその経緯は想像が尽きます。

 落合ほどの名監督の後任は誰がやっても非難を浴びます。なぜなら勝てないから。そこにプリンス立浪を置いておくわけにはいきません。彼の将来に傷がつきます。そこで高木です。中日OB会の会長であり、落合監督支持派であり、未だに名古屋に根強いファンが多くいる高木なら、ある程度落合の後任として監督の座について成績を落としても、ファンは「仕方ない」と許してくれます。そして高木は立浪という次期指導者を育てるために監督になるわけですから、むしろ成績が悪い方が良いくらい。Bクラスに沈んで立浪にバトンタッチすれば、立浪のハードルはかなり低くなります。つまり、高木は落合と立浪のために緩衝材となって泥を被る覚悟なのだろうと思います。

 このシナリオは球団にとっては都合が良いですが、高木にとっては辛いことになります。殿堂入りした人がなぜ敢えて泥を被らなければならないのか?もちろん生真面目な高木なりの責任感、使命感だろうとは思いますが、ちょっとせつないシナリオ過ぎるのではないかと僕は思います。

 と言うのも、僕は仕事で高木守道さんとは20年以上の付き合いです。最近は年に1~2度しかお会いしませんが、昔から本当に紳士で真面目。以前監督をしていた頃でも決して愚痴もこぼさずに淡々と監督業を務めていました。しかし、監督を辞めてから一気に太って穏やかな顔になりましたから、監督という仕事はさぞかし気を遣って胃が痛い仕事なんだろうなと思います。そんなところへ70才になって今さら戻っていくなんて、守道さんの寿命を縮めるだけのような気がします。心配だなぁ。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 同感です。
    プロ野球監督って激務ですよね。
    野村克也のような厚かましい人は別にして,
    70歳の高木守道氏にとっては「最後の奉公」の感覚なんでしょうね。

    落合監督の勝利至上主義は,
    結局のところ「人を育てる」という意味ではペンペン草でしたね。
    今季の外野手のとっかえひっかえぶりは「どこが名将?」と思わせるに十分。

  • Unknown
    多分落合は「用兵」はうまいんでしょうね。
    徹底してコマとして選手を使えるから。
    山井と岩瀬の完全りれーが象徴です。
    ただあおか先生がおっしゃるように、人を育てることには長けていないので、そのあたりが高木新監督に求められる部分だと思います。

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