1週間で1000球投げさせた責任

 高野連主催の全国高校軟式野球大会の準決勝、岐阜・中京高校と広島・崇徳の試合は足掛け4日間、延長50回を経てようやく決着がつきました。勝った中京は、そのままダブルヘッダーで決勝の三浦学苑戦に臨み優勝を果たしました。まるで野球マンガのようなハードで劇的な展開です。本当に高校生たちはよく戦ったと思いますし、彼らにとって一生誇れる大会となったことでしょう。

 ただこうした試合をさせた高野連までも誉めるわけにはいきません。中京の松井投手は1週間で75回約1000球も投げました。こんな無茶をすれば体を壊さないわけがありません。これまで硬式野球では繰り返し「投げすぎ」の弊害について言及されてきたし、実際にそれで体を壊し投手生命が断たれた選手がたくさんいましたが、未だにいっこうに改善される気配はありません。軟式野球からは基本的にはプロ野球に進まないので、あまり問題視されてきませんでしたが、プロに入ろうが入るまいが、高校生が無茶な酷使をされていることには変わりがありません。本人たちが好きで投げたいと言っても、体を壊す前に止めるのが大人の仕事のはずなのに、なぜこういうことがまかり通るのかと疑問に感じます。

 そもそも今大会は大会日程がわずか5日間しかありませんでした。それなのに延長15回で翌日に再試合(訂正:コメントでご指摘いただきました。再試合ではなく延長戦の再開でした)を繰り返すというルールは、こうした事態が起きるという想定を全くしていない証明です。準決勝が終わって2時間で決勝を始めるという無茶なスケジュールも、夏休み中に大会を終了させなければならないから生じたことですが、明らかに大人の都合で子どもに負担を押し付けています。もし昨日が大雨で野球ができるような天候でなかったら、もしくは決勝も延長戦で決着がつかなかったら、その時点で大会は優勝校も決めずに終了してしまう予定だったそうです。準決勝を延長50回までやらせておいて、決勝がそれではあまりにもアンバランスです。

 どうも高野連という組織には頭の良い人がいないようです。想像力に欠ける、前例を頑固に守るだけの頭の古い爺さんばかりという印象です。時代は変わっています。いつまでも戦前の軍隊のような精神主義ばかり押し付けていても仕方ないでしょう。高野連がそうだから、高校野球部の監督もいつまでも体罰をするような古臭いオヤジがのさばっていられるのです。高校生の体を壊したり、体罰を加えたり、部内で日常的にいじめが行われたりするのは、監督とその上の高野連に責任があるのは明らかです。

 文科省はこの大会について厳正な調査をし、なぜこんな事態を引き起こしてしまったのか、そしてどう高校生の心身の健康を守るために改善していくのか、きちんと高野連を指導していくべきです。文科省の役人もそれほどスポーツ文化に理解があるかどうか怪しいところはありますが、少なくとももう少し合理的な判断はできるでしょうから。ちなみにマスコミは高野連とべったりですから自浄作用を期待できないのは言うまでもありません。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • Unknown
    主旨には賛同です。もう少し臨機応変に手が打てなかったものかとイライラしていました。

    揚げ足とりのようで恐縮ですが、再試合ではありません。サスペンデッドゲームであり、延長戦からの再開です。

    甲子園大会の場合は引き分けは再試合になり、最低9回を行なわなければなりませんが、サスペンデッドの場合は最短1回で決着がつく可能性があり、この方が再試合よりいいと、かねて自分は考えていました。

    ただし、今回のように延々と続くと、同一試合であるがゆえに一回交代した選手は二度と出場することができないため、回を重ねるに従って疲れた選手を交代させることができなくなるという弊害があることを知りました。

  • Unknown
    おっしゃる通り、延長戦の再開でした。
    書いてから間違っていることに気づきましたが、CHARADEさんからのご指摘があったので、直さずに注釈をつけてそのままにしておきます。

    延長戦にしろ再試合にしろ、こういうケースがあるので、タイブレーク方式を取り入れるなど、もう少し抜本的な対策が必要でしょうね。

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