長嶋茂雄が亡くなりました。いつかこの日が来ることはわかっていましたが、いざその時が来てみるとやはり大きな喪失感があります。自分が子どもの時代のヒーローは大鵬も手塚治虫もそうでしたが、やはりトップは長嶋茂雄でした。どれほど王やイチローや大谷が長嶋の記録を超えていったところで、最高の野球選手としての長嶋を超えることはありません。スーパースターは何人もいますが、スーパースターを超えるスターは長嶋だけです。長嶋は別格なのです。
と言ったところで、長嶋の現役時代を知らない人にしてみれば単なる「懐古厨」と言われることでしょう。こればかりは仕方ないと思っています。どれほど過去の映像を見たり、当時のメディアの記事を読んでも、やはりあの時代を生きていなければ実感できるものではありません。「アンチ巨人はいてもアンチ長嶋はいない」と言われたものでしたが、本当に日本中が長嶋のことが好きでした。1974年の長嶋の引退セレモニーは当時の大事件でした。
前にも書いたことがありますが、僕が初めてプロ野球の試合をスタジアムで観戦したのが、この1974年のことでした。ナゴヤ球場での中日巨人戦。この年、中日が「燃えよドラゴンズ」の歌に乗って、9連覇をしていた巨人の優勝をついに阻止するのですが、僕が行ったのは7月。試合は中日が勝ちましたが、巨人のON砲がアベックホームランを打って、まだまだ長嶋はやるぞというところを見せた試合でした。まさかこの年限りで引退するとは思ってもいなかったので、本当に良いタイミングで見に行ったと思います。
マスコミは長嶋のニュースを流す時に監督時代の映像を多用していますが、監督としての長嶋は名監督でもないし、ユニークなキャラクターの面白い監督というだけでした。あくまでも選手としての長嶋の凄さが別格なのです。強いて同レベルの「別格感」があるアスリートを探すとしたら、ペレとマイケル・ジョーダンとロジャー・フェデラーくらいでしょうか。彼らの記録を上回る選手が現れても、「最高」の座は揺るがない唯一無二の存在なのです。ご冥福をお祈りいたします。

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