ミュージシャンの近田春夫が「パワハラやセクハラ当たり前のことを“昭和気質”と簡単にひとくくりにするのってのも昭和の人に対する“差別”では?」「昭和生まれでもそうではない人の方が一般じゃないですかね?」と、昭和世代でも多くは常識的な感覚を持っているという趣旨のコメントをしているそうです。近田の憤りはわかります。僕も同じことを言われたら「全部同じにするな」と反論したいです。
そもそも今と当時とではハラスメントの線引きが全然違います。今ならパワハラやセクハラに該当することでも、当時は全く問題だと思われていませんでした。ルッキズムなんて言葉も聞いたことがなかったので、女性の容姿を貶すのはともかく、誉めて何が悪いんだと思っている昭和世代は未だに多いでしょう。だって当時は女性に「今日も可愛いね」と誉めるだけでモテモテだったんですから。容姿に限らずですが、女性に対してシラフで面と向かって誉めることができる男性があまりいなかった時代でした。
大河ドラマでよく問題になりますが、戦国時代と今とでは人権に対する意識はまるで違います。信長や秀吉、家康の殺戮を今の時代感覚で批判しても意味がありません。昭和と令和でも同じです。当時はそれで問題にならなかったことが、今はダメになっているのですから、昔はどうあれ今はちゃんと時代に合わせてアップデートできているなら問題はないでしょう。ただ「昔ならこれくらい当たり前だった」とばかり言って、未だに当時と同じ言動を繰り返している人がいたら、それは恥ずかしいから早く改めろよと思います。
それに昭和生まれと言っても幅が広すぎて、とても一括りにできるものではありません。戦前生まれ、団塊の世代、新人類、氷河期世代、そしてゆとり世代の初期まで、全て昭和生まれです。60歳以上違うのに「昭和」でまとめるのは無理があります。その中でさらに同世代でも個人差が大きいのですから、近田が言うように安易に昭和だからで十把一絡げにされるのは抵抗感があります。ありますが、まあ言われるのも無理ないなぁというケースも多く見受けられるので、時代についていけない人間はさっさと退場するのが一番。院政を敷いているらしいフジテレビも一気に大きく世代交代してはどうでしょう。

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