貧乏は本人のせいなのか

 なんで近年こんなイヤな世の中になったのかなぁと、ぼんやり考えていたら、ホリエモンとかに代表されるような「金を稼いでる奴がエライ、貧乏な奴は努力が足りない」というようなことを言い出した人間がいて、それがどんどん広まってしまったからかもと思いました。今の世の中ではコツコツと地道に働いても、経済的に充足されないことも多いです。決して努力していないわけでもないのに、貧乏なのは本人が悪いと言われたら、それは誰だって腹が立ちます。
 なぜ金持ちと貧乏の差が生じているのかと言えば、一番は「親ガチャ」だったりします。金持ちの子どもは最初から大きなアドバンテージを得ています。特に首都圏に住んでいれば、かなり有利です。じゃあ地方の普通以下の家庭の子どもはどうしたら良いのかと言うと、ホリエモンも橋下徹も言うように「頑張って勉強して稼げる力を身につける」というルートを選ぶことになります。それでホリエモンは起業して、橋下は弁護士になって成り上がっていくわけですが、そういう人間に限って「貧乏なのは本人の努力が足りない」と言い出すわけです。自分はそうやってきたのだから、それを肯定するとともに、そうじゃない人間を厳しく否定します。アメリカのバンス副大統領も似たようなタイプらしいです。
 そして「親ガチャ」の次に差がつくのが、職種や業種による格差です。「職業に貴賤なし」などという言葉はすっかり死語になりつつあります。都心のオフィスでPCに向かって金を動かすだけで年収1億円を得られるファンドマネージャーと、人手不足の地方の公立病院で夜勤をしている年収500万円の看護師。そこに20倍もの努力の差があるとは思えません。むしろ社会の役に立っているのはどちらなのか、多くの人の支持は看護師に上がることでしょう。ちなみにファンドマネージャーに対して悪意があるわけではないし、看護師を貧乏だと思っているわけでもありません。
 マネタイズの仕組みがきちんと出来上がっている職種は報酬が高く、金にはなりにくいけれども社会が必要としている職種は報酬が低く抑えられてしまいます。だからこそ富の再分配のために累進的な課税方式があるのに、それすらも金持ちが文句をつけて政府は消費税を上げるなどして逆進性を高くし続けてきました。そしていつの間にやら「貧乏なのは本人のせい」キャンペーンが展開されて、世の中に必要な儲からない仕事ほど人手不足になってしまい、社会が歪んできています。
 金持ちだから「偉い」わけではないですし、貧乏=ダメ人間と決めつけるのも間違いです。年収がその人の「値段」だと思う考え方は、あまりにも人間の存在を薄く軽く見ています。
 
 
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