京大志向の理由

 今年もまた週刊誌で高校別の大学合格者数ランキングが掲載される季節になりました。高校に入学する直前の春休み、そういうランキングを初めて本屋で見て、自分の進学先の高校が上位に入っていることを知り「へー」と思って以来ほぼ半世紀。下世話な企画だと思いつつも、母校のこととなると気になってついつい見てしまいます。そういう狙いもあって批判されながらも週刊誌は掲載を続けているのでしょう。
 ここのところ母校のランキングを見ると東大合格者数は良くて20位、悪くて30位あたりをウロウロしていて、悪くはないけどあまりパッともしませんが、京大の合格者数はトップ10に入るくらいまでランクが上がってきていて、ちょっとどういうことなんだろうと不思議に思っています。我々が高校生の頃は東大志向が強く、京大の倍近くは東大に進んでいたと思うのですが、今はまるで逆になっています。
 不思議と書きましたが、実際に名古屋から進学するなら京都の方が東京よりずっと近いですし、住居費などを考えても仕送りも安く済みます。「実利的」な選択としては京大なのかも知れません。かくいう僕も進学先として京大を真剣に考えていました。結局経済的な理由で「浪人ダメ、私立ダメ、下宿ダメ」の3つの縛りを親から言われて、確実に現役合格できるだろう地元の国立大学を選択するしかなかったのですが、親が許せば京大は東大よりは経済的に楽だろうからありかなと当時考えていました。もちろん家がもっと裕福なら東大を狙って、滑り止めに早慶を受けていたと思いますし、実際に高校の仲の良い友人たちもそのパターンを選んでいました。
 なので、今のはるか年下の後輩たちが京大志向が強いというのは、経済的な理由なのか、それとも京大の学風に憧れがあるのか、どちらなんだろうと思っています。これだけ物価が上がって国民の生活が苦しくなっている状況を考えると、経済的な理由の方が大きいのかなと想像してしまいますが、もしそうならそれはかなり残念なことです。僕自身も行きたかった学校ではなかったことが大学生活を多少なりともスポイルしていました。受験して落ちたのなら自分の責任だから諦めもつきますが、受ければ受かったかもと思うと、いつまでもモヤモヤするものです。
 当時の学力では京大現役合格の成否は五分五分だったでしょうし、大人の目線で考えれば地元での進学もそこまで悪い選択ではなかったんじゃないの、と思いますけど、視野の狭い高校生にはキツイです。実際進学したら、奨学金を貰い、授業料を全額免除され、バイトしまくって、親には全く負担をかけずに大学を卒業できましたから、京大に行っても何とかなったのかも知れません。でもそれは大学に行くまでは知らなかったし、誰も教えてくれませんでした。僕の弟は、そういうやり方もあるから何とかなると僕が教えて、他の地方の国立大学に進み、親の仕送りゼロながら、奨学金とバイトで寮生活を4年間満喫して卒業しました。国立大学はそういう貧困家庭の子どもが大学教育を受けられるように、授業料の値上げなんてしないで欲しいと切に願っています。
 
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