退屈は趣味の母

 「多趣味で良いですね」とよく言われますが、自分ではそれほど趣味が多いとは思っていません。趣味というよりは「暇つぶし」でやっていたことが傍から見ると趣味に見えているだけだと思っています。子どもの頃から退屈しているのが苦手で、やることがないと悔しいとさえ感じていました。とにかく手空き時間があれば何かをしていたいと思う性格で、と言っても、宿題をするとかお手伝いをするとか「やらされる」ことはしたくないので、好きなことを探す日々でした。
 読書は小学校に上がる前から手あたり次第に伝記を読んでいました。次いで子供向けの文学全集を繰り返し読み、ついには百科事典を暇つぶしに読むような小学生でした。地図にはまったのは幼稚園の時に知り合いの小学生から地図帳を貰ったのがきっかけでした。暇があれば地図を眺めている子どもでした。この年齢になっても未だ飽きずに地図を見るのは大好きです。同じように星空にもはまっていて、小2でプラネタリウムに行き感動して、小4で天体望遠鏡を買ってもらって毎晩のように庭で星を見ていたものです。
 スポーツも目の前にあったら何でも手を出していて、小3で鉄棒にはまり、小4で縄跳び、小5でソフトボールとサッカー、小6で水泳と長距離走。始めると飽きずにやるタイプなので、趣味のようにやり込んでしまいます。見る方も小3から新聞を隅から隅まで読んでいたので、スポーツ記事も細かくチェックしていました。プロ野球、大相撲、オリンピックなどはもちろん、隅っこに載っていたテニスのデ杯の成績とかもいつも読んでいました。それが高じて今のスポーツ観戦好きに繋がったと思います。
 クイズも暇つぶしの典型で、百科事典と新聞を読むのが好きだった小学生は当然クイズが得意になります。テレビのクイズ番組だけでは飽き足らず、クイズ本を書店で見つけたら買い込んでクイズを解いている子どもでした。受験生時代は絵を描くのにはまっていましたが、これは完全に受験勉強からの逃避行動だったので、受験が終わると同時に描かなくなりました。代わりに大学生の頃にクイズ番組に出ていました。
 将棋やボードゲームも好きで、野球盤はかなりやり込みましたが、ゲームはインベーダーとファミコンが大きな転機となりました。暇つぶしどころか、暇じゃない時間まで食い込んでくる電子ゲームはかなりヤバいと20代の頃にすでに感じていましたが、反面ここから新しいムーブメントが起きるとも思いましたし、僕がパソコン趣味へと進むきっかけにもなりました。全ては暇な時間、退屈している時間が嫌で、あれこれ手を出してきた産物です。
 今の子どもはタブレットやスマホで動画を見たりゲームをするのが当たり前になっています。親が子どもをおとなしくさせておくために与えていることが多いですが、これでは子どもが退屈する時間がありません。もちろん、あれだけ子どもをおとなしくさせる最強ツールはありませんから、子育て中に頼る気持ちはよくわかりますし、与えるなとは言いませんが、僕のように退屈から脱却しようともがくことが、何かを始めるきっかけになり得る場合もあります。退屈こそが趣味を生み出す母なのです。
 
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