人と比べるから不自由になる

 年を取ってきて良かったことのひとつに「他人との比較」を意識しなくても良くなってきたことがあります。子どもの頃はとにかく比較されることが多くて、通知表も相対評価ですし、試験の順位も運動会の徒競走も作文コンクールもとにかく生徒同士で比べられてばかりでした。そういう環境でずっと育つから、社会人になっても周りとの競争を強いられているような意識があって、僕はそれが30歳頃からかなり嫌だなとずっと思っていました。
 人が嬉しいことが必ずしも自分の嬉しいこととは限らないし、人が意識していないことでも自分にとって大切なことはあります。それぞれに違う物差しを持っているのに、敢えて他人と同じ物差しを使う必要はないんじゃないかという思いが、年を重ねるごとにどんどん強くなりました。もちろんサラリーマンとして生きていく中で、あまり大っぴらにそういう態度を示すのもどうかとは思っていましたが、それでもやはりそういう気持ちは当時から滲み出ていたようです。
 自分が年齢が上がってレースを降りても文句を言われなくなった頃に、ようやく世の中もそういう価値観を認めてくれるようになってきて、最近ではかなり楽になってきました。人の物差しではなく、自分の物差しでなるべく生きるようにすると、本当に自分にとって大事なものが何か良くわかるようになります。それは自分勝手にするということではなく、相手の物差しも尊重してお互いに無理を強いないで、ほどほどの距離感で付き合うように心がけることです。そうすればお互いの自由がかなり確保されます。
 まだ1年余り会社員生活は続ける予定ですから、その間はいろいろ不自由はありますし、仮に引退して憧れの「ご隠居」になっても完全に自由になれるわけではないでしょうが、自分にとっての楽しさ、心地よさの実現のために「他人との比較」からはできるだけ遠くにいたいと思っています。
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