ユーミンは荒井に限る

 Twitterで畑中葉子さんが『ハルジョオン・ヒメジョオン』ばかり聞いている、というツイートをしていました。ユーミンの隠れた名曲です。僕もこの曲は好きなので、「紅雀」はクオリティ高くて良いですね、というリプライをしたところ、「私も「紅雀」大好きです^^ 」と返事をしてくれました。「紅雀」はユーミンの5枚目のアルバムで「松任谷」名義で出した初めてのアルバム。『ハルジョオン・ヒメジョオン』が収録されています。

 ユーミンがデビューした当時、僕はまだ中学生で、彼女の音楽に触れてもっともビビッドに影響を受けている世代です。特に初期の荒井由実名義のアルバム(「ひこうき雲」「MISSLIM」「COBALT HOUR」「14番目の月」)は本当にそれまでの日本の歌謡曲ともフォークとも明らかに違う楽曲の数々が収められていて、僕たちは一気に夢中になりました。「紅雀」はその後に出たアルバムですが、かなり難解というか、ポピュラーさが希薄で作家性が強く出ているので売上は落ちましたが、ファンの間では強い支持がありました。

 昨晩のNHK「SONGS」は山本潤子。彼女はハイファイセット時代にユーミンの楽曲をカバーしていることで知られていて、特に『冷たい雨』『卒業写真』はユーミンバージョンよりも彼女の方が人気があるくらいです。番組では彼女が『海を見ていた午後』の歌詞の新しさについて語っていましたが、僕もこの歌の「小さなアワも 恋のように消えていった」というフレーズに、大学生の時にビックリしたのを覚えています。普通なら「恋が小さなアワのように消えていった」と書いてしまうところです。そこをアワ視点にするところがユーミンの非凡さで、このレトリックの巧みさは未だに作詞家として日本一だと思っています。

 ユーミンの音楽を語り始めると、どうしても初期の70年代の楽曲が中心になってしまいます。彼女のエッセンスは全てその時代に作られて詰め込まれていますから、のちのち年末恒例で出てはオリコン1位を獲得していたバブル期のアルバムよりもずっと鮮度が高いのです。「サンマは目黒に限る」と同様「ユーミンは荒井に限る」と今でも思っています。ま、「紅雀」は松任谷ですけど。ところでこのネタ、数年おきに似たようなことを書いている気がします。調べるのが面倒なので無視しますが、それだけ初期のユーミンを僕が好きだということです。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • まったく同意ですが
    『卒業写真』は75年2月5日に発売されたハイ・ファイ・セットのデビューシングルへの提供曲ですから,
    カバーしたのはむしろ荒井由実ですね。『COBALT HOUR』は同年6月5日の発売です。
    アフリカへ行きたい~COBALT HOUR へのSEつながりが大好きでした。

  • Unknown
    あかお先生、さすがに鋭い突っ込みですね。
    ハイ・ファイ・セットの『卒業写真』を先に聴いてからユーミンバージョンを聴いたので「ユーミンは歌下手だな」と中学生ながらに思いました。

  • 私の義弟
    といっても同学年で生まれ月は私よりは早いのですが,
    海外赴任時を除くと,横浜の生家を離れたことがないマジメな男なのですが,
    カラオケでの歌唱・鑑賞を込みで彼にとって「この一曲」は何や? と聴いたら,
    松任谷由実の『埠頭を渡る風』(1978)と答えました。
    あら,まー。
    大学生ですよ。二十歳ですよ。

    ま,『私の彼は左きき』だの『年下の男の子』だのというほうが変なんですが。

  • カバー曲
    「ユーミンの曲をカバーしたというのはちょっと違う」

    と思ってコメント見たら。
    やっぱりすでに異論があった。

    「ユーミンをカバー」が何故違和感を感じるかというと。
    旧赤い鳥流れのHifiというか、山本潤子って、
    「仲間」じゃん。説明は省くけれど。

    だから、「誰かの曲を誰かがカバー」という説明はふさわしくないよ。
    ユーミンにとって山本潤子は先輩であり、歌手としては大変尊敬していた。

    一杯曲を書いた中で、「これはHifiに」とか「これは私が歌う」とか
    やりくりしていたはず。

    「そもそも、誰に書いた曲だから」というような話は意味がないと思う。
    まぁ、楽曲解題の話の種としてはアリだろうけれど。

    ALFAのビルはヤナセとの資本提携解消後、立て替えられたという。
    でも、跡地の新ビル前に立つと、「ALFAの前にいる」という
    雰囲気がぬぐえない。敷地に一杯そのままビルを建てるので、
    外形的には似ているのかな。(^_^;)

    関係者にとっては「全然違うよ」というのだろうけれどね。

    see google 田町イーストウィングビル

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