大相撲夏場所千秋楽。全勝優勝を狙う大の里と横綱豊昇龍の結びの一番は、豊昇龍が横綱の意地を見せて勝ちました。やはり「ここぞ」の時の豊昇龍はギアが上がる感じで急に強くなります。反面下位力士相手の時にはギアが下がるのでコロコロとよく負けます。今場所も平幕に2敗して、この2場所で合計5個も金星を配ってしまいました。「弱きを助け、強きを挫く」のはフィクションの中のヒーローとしては理想的ですが、横綱には向いていません。むしろ名大関とか名関脇の役回りです。
そんなわけで、豊昇龍は横綱の面目を辛うじて保ち、大の里は全勝優勝を逃し昇進に華を添えることができませんでしたが、来場所以降さらなる目標ができたことで気を引き締めることでしょう。大の里と豊昇龍の対戦成績は大の里から2勝6敗です。これでは同じ横綱として恥ずかしいので、大の里としては早く五分以上の対戦成績に持ち込みたいところです。大の里が大きく負け越しているのは豊昇龍だけですから、東西の横綱として両者が今後張り合えば「大豊時代」が訪れるかも知れません。
過去「栃若」「柏鵬」「北玉」「輪湖」「曙貴」などの時代がありました。年齢が近く昇進時期も近い2人のライバル横綱が張り合うことで土俵は充実しますし、人気も盛り上がります。大の里と豊昇龍は1歳違いで、横綱昇進も2場所しか変わらないわけですから、今後5年以上は実力を保てることでしょう。大の里は今のパワーで押し切る相撲から、今後は四つ相撲を磨くことが必要ですし、豊昇龍は下位に取りこぼさないメンタルと安定感を備えて欲しいですが、ともに資質は十分あると思います。
取り残された感のある大関琴桜ですが、やはり気持ちに問題がありそうです。弱気というか自信喪失しているような感じで、あれでは勝てそうにありません。大関昇進を狙う若隆景や霧島の方がむしろ大関らしさを醸し出しているくらいです。祖父の琴桜も同時代の北の富士と玉の海に置いていかれた遅咲きの横綱でしたから、そこまで引き継ぐつもりなのでしょうか。

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