青春時代に見ていたテレビドラマは、その頃に聴いた音楽と同じでずっと心の中の引き出しにそっとしまってあるような気がします。たまに取り出して懐かしさと思い出を楽しんでまたそっと引き出しの中に戻すような感覚です。1975年に放送されていたドラマ『俺たちの旅』もそんなドラマ。青春ドラマというジャンルに分類されますが、それまでの青春ドラマは学園モノが中心だったのに、このドラマはもう少し年齢が上の大学生世代を主人公に据えて、青春期ならではの悩みや葛藤を描いたドラマでした。
僕は放送当時まだ中学3年から高校1年でしたから、大学生が社会人になる時期を描いたこのドラマは少し上の世代の話でした。しかし若者は常に自分の前を行く人間のことを知りたがるものですから、そういう意味ではドンピシャだったとも言えます。また自分と同世代の岡田奈々が出演していたこともドラマを見続けるフックにはなっていました。
鎌田敏夫が脚本を書いた、ヒーローでもなんでもない等身大の、どちらかと言うとダメな若者を描いたこのドラマはそれだけにリアルで共感できる作品でした。この8年後に山田太一が『ふぞろいの林檎たち』を手掛けますが、同じようにエリートではない大学生を描きながらも、70年代と80年代の違いは明瞭でした。そして『俺たちの旅』が僕の少し上の世代の青春なのに対して、『ふぞろいの林檎たち』はまさに同世代で、それだけにかえって気恥ずかしさを感じたのを覚えています。
『俺たちの旅』50周年を記念して9月から全国4都市でスペシャルコンサートが開催されるそうです。中村雅俊、秋野太作、田中健、岡田奈々が出演すると報じられています。わざわざ見に行こうとは思いませんが、テレビで放送してくれたら見たいです。

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