山口崇とタイムショック

 俳優の山口崇が亡くなりました。88歳。と言っても、若い人はあまり馴染みがないかも知れません。我々の世代はNHKドラマ『天下御免』と、『クイズタイムショック』の司会者として良く知っている人でした。『天下御免』は、子どもの頃のドラマで最も好きな番組です。あれほど面白いと思って見ていたドラマはありません。と言っても、子ども向けではありません。早坂暁脚本で山口が演じる平賀源内が主役の時代劇です。
 何が面白かったかと言えば、とにかく型破りの時代劇で、しばしば現代の風景が登場するし、当時の世相を斬るような風刺も多く、実験的で型破りな作品でした。僕と同世代の三谷幸喜もいつもこのドラマから受けた影響を語っています。しかもそれだけファンが多い作品なのに、NHKにビデオが残っていないので「伝説のドラマ」になっています。山口崇自身が個人的に録画していた第1回と最終回のビデオをNHKに寄贈しているそうです。
 1971年から1972年にかけて放送された『天下御免』の後も、ドラマで主役級の活躍を続けていた山口ですが、1978年から『クイズタイムショック』の2代目司会者として登場します。初代司会者の田宮二郎が衝撃的な自死をした後任だったので、かなりオファーを受けるのは覚悟がいったと思いますが、紳士的な司会で評判は良かったと思います。僕がタイムショックに出場したのは1980年で、山口も司会に慣れてきていた頃でした。田宮二郎も好きな俳優でしたが、山口も「天下御免の源内だ」と思っていたので、会えて嬉しかったです。
 その時は9問正解で優勝した人に1問差で負けてしまいましたが、初めてのテレビ出演の割にはまあ落ち着いてできた方かなと思いました。ただ優勝できなかった悔しさから、すぐに予選を受けて半年後にまた出演したのですが、この時は問題の当たりが悪く6問で惨敗しました。その収録終了後に山口から「今回はどうしました、クリタさん」と声をかけられたのが強く印象に残っています。前回の出演を覚えていて期待してくれていたんだなと思いました。普段から気配りのできる優しい人だったのでしょう。ご冥福をお祈りいたします。
 
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